第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはA's 〜日常と、崩壊の故郷〜
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風芽丘図書館
そこに到着した蒔風は本の内容を見て必死になってそれを探した。
その内容は蒔風が驚くに値するものだった。
それは、名前、地名、多少の表現が違うだけで、間違いなく蒔風の物語「the days」の物だった。
この世界では蒔風の物語はラノベではなく、図書館に置いてあるような書物として存在しているようだ。
(確か番号はD-45だったはずだ、D-41、D-42-001、D-43、D-44、D-・・・・・)
そしてその位置に蒔風がたどり着いた。
が、そこには本はなかった。
D-44のあとには、隙間なく入ったD-46の本が並んでいる。
蒔風がその場を見つけ、一瞬だけ涙がこぼれそうになり、受付に訊いた。
「すみません!D-45のシリーズって、どこにありますか?」
受付の女性に聞くと、親切に本棚のところまで案内してくれた。
そして先ほど蒔風が立っていた場所まで来て、女性が教えてくれた
「こちらがD-45番ですよ」
「・・・・・ありがとう・・・・ございます・・・・」
「はい」
そう言って女性は受付に戻る。
そこにあったのは「the days」ではなかった。
そこにあったのはさっきは「D-46」だった本があった。
番号が「D-45」になっていた。
つまり、このわずかな時間で「the days」の情報はこの世界から消えてしまった。
「俺の世界が崩壊・・・しかけてるからかな・・・まだなくなってはいないだろうけど、さ」
各世界を描いた物語。
それらは確実に存在するものだ。
作者と呼ばれる者たちは、その「物語」を感じとって作品を作る。
そして蒔風の世界は崩壊しかけている。
つまり、発信する「物語」がないのだ。
いや、あったとしてもそれだけの力が世界にはない。
それを目の当たりにした蒔風は、図書館のベンチに倒れ込んだ。
「キッツ・・・これはきついなぁ・・・・」
そう言って目元を覆う。
閉館のアナウンスが聞こえるが、蒔風は動かない。
と、そこに声をかける一人の人物がいた。
「どうしたん?気分でも悪いんか?」
蒔風が目をあけると、そこには車椅子に座った少女がいた。
「・・・・いや、なんでもないよ。ありがとう」
「ホンマに大丈夫?」
「大丈夫だよ。きみは・・・」
「うちは八神はやて。いつもは一緒に来てる人がおるんやけど、今日は一人や」
「俺は蒔風舜・・・ふう、いや、こんな辛気臭い顔しても始まらんな!!」
「どうしたん?落ち込んでたり元気になったり」
と、そこに図書館員が閉館だから出てくださいと言いに来たので、二人ともそそくさと図書館か
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