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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
三話 昔の話
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振り向く。恐らくは見ていたのだろう。丁度、アップに区切りが付いた所で声を掛けてきた。
振り向いたクラナは、いきなり眉をひそめた。
後ろに立っていたのはノーヴェだ。それは良い。ただそのさらに後ろに何故か、ヴィヴィオ以下三人のチビーズと、その三人よりも時折子供なのではあるまいかと疑いたくなる年長者が、此方を……ウェンディを除く三人は緊張した面もちで見ていたからだ。
「……何ですか?これ」
「あぁ、お前とのスパーリングを見たいんだとさ。別に構わねえだろ?」
「…………」
この人は……と、クラナは内心頭を抱えたくなるが、何とか無表情で通す。
ニッと笑ったノーヴェから、後ろの四人に視線を移す。先程指摘したせいか、ウェンディを除く三人は緊張した面持ちで此方を……と言うか虚空を見つめている。
「……あんまり見られるの好きでは無いんですけど」
「まあ、そう言うなって。他の奴の戦い方見せて、こいつ等にも勉強させてやりてーんだ」
「…………」
なら自分以外でどうぞ。と返したかったが、どうせそれもなんやかんやで返されるのは見えていた。生憎今の自分がこの人に口で勝てるとは思えなかったし、面倒でも有ったので、結局彼は溜め息を吐く。
「……勝手にしてください」
「おう。悪いな」
明らかに悪びれていない二カッとした笑顔で答えたノーヴェにクラナは一瞬顔をしかめたが、敢えて無視して、その横をすり抜けるようにリングへと向かう。
「「「はぁぁぁ……」」」
「なんだなんだ。こんな所でへたり込むな。ほら、行くぞ」
後ろからこんな会話が聞こえたが、クラナは矢張り無視して、さっさとリングへと向かった。
────
「フッ!」
「よっと!」
クラナの回し蹴りを、ノーヴェが軽くバックステップで避ける。隙が出来たクラナに踏み込み、ひざ蹴りを叩き込もうとして……
「ハァ!」
「っ!」
クラナは蹴った足を地面に叩きつけた時に返ってくる衝撃を利用して、後方に向かって裏拳を放つ。
飛んできた裏拳をノーヴェは繰り出そうとした膝蹴りを曲げた膝を延ばすことで緊急制動をかけ停止しつつ、右の腕で受け止める。
牽制の為に多少無理な体制から繰り出した裏拳には其処まで威力は乗っておらず、反動も受けず怯みもせずに受け止めたノーヴェは左手でクラナの右手首を掴み、頭の辺りに持って行き捻ろうとする。
「(やばっ……!?)ダッ!」
「おっと」
とっさに左腕から肘鉄を繰り出す。が、ノーヴェは右手首を掴もうとした左手をそのまま受けに回して止める。
「くっ……!」
「おっ?」
「デアァッ!」
「む……」
とっさにクラナは身を思い切り低くして、既に体勢を立て直していた足で踏ん張りつつ、真上に伸ばした右手の手首を
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