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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#16
戦慄の暗殺者U 〜a Red Magician's Girl〜
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間に鳴り響いている。
意志を持つ人形、 “マリアンヌ” は彼奴(きやつ)が創造した燐子の中でも最高傑作の一つだ。
しかし、その者がまさか、彼の者の軍門に降っていたとはな」
 アラストールの言葉にフリアグネは口唇を笑みの形に曲げた。
「君と逢うのは初めてだね? 荘厳なる紅世の王 “天壌の劫火” アラストール。
しかし、初対面の君に “殺しの方” でそう呼ばれるのは少々心外だな?」
数多(あまた)のフレイムヘイズを灰燼に帰しておきながら何を言う」
 アラストールとフリアグネ。
 紅世にその名を轟かせる二人の王が、白い封絶で囲まれた学園屋上で対峙する。
「フッ……まぁいいさ。最早 “狩人” の真名など、私にとってはどうでも良い存在だ。
本来の意、紅世の宝を集める狩猟者としての意も含めて、ね」
 そう言うとフリアグネは、純白の長衣を閃撃のように鋭く翻した。
 それだけで、今までの気怠げな雰囲気が一気に吹き飛ぶ。
「貴様……それは一体どういう意味だ?」
 シャナの胸元から発せられるアラストールの問いに、
フリアグネは猛々しく名乗りを上げた。
「聞いての通りの意味さッッ!! “私は人間ではないがアノ方に忠誠を誓ったッッ!!”
今の私はアノ方の敵を抹殺する 『炎の暗殺者』 フリアグネ!!
身の程知らずにもアノ方を討滅しようと考える薄汚い“フレイムヘイズ”も!
そして『幽波紋使い』も! 一匹残らず探し出し全て残らず狩り殺すッッ!!」
 狂信者特有のギラギラした眼光を嫋やかな瞳に輝かせながら、
フリアグネは己の暗黒の決意をシャナとアラストールに向けて言い放った。
「そしてェェェッッ!! 『幽波紋使い狩り』!! フレイムヘイズ炎髪灼眼ッッ!!
貴様を斃してその真名をも頂戴し!
より完璧な 『暗殺者』 として私はアノ方に仕えよう!!
幽靈(ゆうりょう)劫炎(ごうえん)の簒奪者ッッ!!】
それがこの私の新たなる真名だッッ!!」
 フリアグネはそう叫んで獲物を狙う黒豹(クーガー)のような眼光でシャナを睨め付ける。
「やれるものならやってみろ!!」
 シャナは右腕を鋭く水平に薙ぎ払い、黒衣を翻らせるとその凛々しき灼眼で
フリアグネを睨み返し勇ましき鬨の声を上げた。
“狩られるのはおまえの方だッッ!!”
 真紅の双眸に宿る気高き光が何よりも強くそう訴えていた。
 自分の上で熱く猛るシャナとは裏腹に、
アラストールは冷静に眼前の状況を分析していた。
此奴(こやつ)の……この異常なまでの狂信振り……よもや……この者も……)
 重い沈黙が醸し出す、独特の雰囲気からアラストールの心情を察したのか
フリアグネはいきなりそのパールグレーの前髪をアラストールに向けて
(まく)り上げた。
「!」
 
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