暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
20話
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、何を考えていたのかな〜?」

「な、何も破廉恥なことを考えておりません!」

「……!?」

「……えーっとセシリアちゃん? それ、考えていた内容を口にしているようなものなんだけど」

 楯無のからかいに思わず声を荒げるセシリア。セシリアの予想外の大きな声に驚きの表情に染まる鬼一。そして、セシリアの自爆を困ったように指摘する楯無。

「―――っ!?」

「……」

 楯無の指摘にセシリアの顔は耳まで赤くなる。そのことがより一層、セシリアがどんなことを考えていたのかを如実に表しているのは間違いない。そんなセシリアを見て鬼一は目を伏せ、視線を明後日の方向に向けた。

「ち、違います鬼一さん。わたくしはそのようなことを考えていませんわっ」

「今の時間に人がいなくて良かった……。というか先輩なんで唐突に振ったんですか……」

 弁明するセシリアに視線を合わせないまま鬼一は安心する。こんな会話を他人に聞かれたら色々と洒落にならない。もし、他に人がいたら一体どうなっていたか。噂好きが多いIS学園なら1日足らずであることないこと広がることになるだろう。

 そんなことが考えられる以上、それの発端となりかけた楯無を責めるような目つきで鬼一は睨む。

「え? 面白そうだったから」

 そのあまりと言えばあまりにもな無慈悲な一言に鬼一は肩を落とす。

「そんな理由で人を振り回さないでくださいよ……他に人がいたらどうするつもりだったんですか……」

「セシリアちゃん以外に人がいたらこんなこと言わないわよ。それくらいの分別はするわ。というかなんで鬼一くんも普通に乗っかったのよ」

 楯無の弁明とその指摘に鬼一は顔を歪める。楯無の指摘は間違っていなかったからだ。自分がこの悪ふざけに乗らなかったらこんな展開になってはいなかっただろう。

「疲れて頭が回転してくれないんです……」

 思わず言い訳してしまうくらいにはショックを受けた鬼一。

「さっきまで鈴さんと模擬戦をなさってたんです」

 そしてそんな鬼一をフォローするセシリア。

「鈴さん? ……中国代表候補生の鳳 鈴音ちゃんのこと?」

「その中国代表候補生の鳳 鈴音さんです」

 その言葉を聞いた楯無は一瞬驚いたように目を見開き、その後すぐに、冷静に答えを導き出す。

「ふーん、勝敗は? 多分鬼一くんが負けたと思うけど」

「……そうです。よく分かりましたね?」

 鬼一の表情は良くない。どこか苦虫を噛んだような渋い表情をしている。負けたこともそうだが、あっさりと答えを出されたことにもだ。

「相手が悪すぎるわよ。唯でさえフィールドには広さ制限があるのだから鬼神の機動力を活かしきることはできない。それに相手は距離を潰す
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