SIDE:A
第一話
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では上手く機能したが、これが彼の者に通用するかは別問題。正直不安は拭いきれないが、大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせて平常心を装った。
転生特典の一つ【努力するほど成長できる才能】のお陰でかなりの実力を身につけることが出来たと自負しているくらいだ。やはり影分身でのレベリングは反則級で超有用。今では複数の影分身を修行場へ送り、定期的に解除というサイクルを送っているため術に関する扱いは鰻上りである。体術関連は本体であるハルトでないと意味がないが。
「爺ちゃんのところにでも行くかな」
そう呟いて書庫から出た時だった――。
辺り一体に響き渡る轟音と震動。立っていられず咄嗟にその場にしゃがみ込むほどの揺れが襲った。
「な、なんだ?」
騒がしくなる火影邸。色々な人が走り回るその姿からただ事ではないと察することが出来る。
ハルトは事態を把握するために急いで三代目がいる執務室へと向かった。
「爺ちゃん! なに今の!?」
扉を勢いよく開け放ち中に入る。そこには忍装束に着替えた三代目火影ヒルゼンが部下たちに指示を出していたところだった。
「おおハルトか! では頼んだぞお前たち!」
『はっ!』
面をつけた忍たちは一斉に低頭すると、シュバッとその場を離れた。
「何が起きてるの?」
「うむ、九尾の封印が解けたようじゃ。儂はこれから九尾の対応に向かう。ハルトは母たちの元へ向かうがよい!」
「うんっ」
窓から躍り出たヒルゼンを見送り、ハルトは急いで自宅へと向かった。
「ついに来たかこの時が……! 母さんは無事なのか!?」
小さな脚を動かしながら自宅へと向かう。途中響き渡る轟音に振り返ると、見上げるほどの巨躯の妖狐が暴れまわっていた。
九尾が外壁近くにいるということは、家に仕掛けたトラップは上手く作動したということだろう。もしトラップが起動しなければ、九尾は封印されていた人柱力であるクシナの近くに顕現するはずだからだ。
(ここまでは重畳か……。一世一代の大博打。絶対に成功させて見せる!)
人がいないことを確認したハルトは裏路地に入ると指で十字を作った。
「影分身の術! そして変化っ!」
ハルトは実態を伴う分身の術――影分身を使い分体を一人作ると、変化の術を使って大人に化けさせた。
大人に化けた分体は暗部と同じ忍装束と狐の面を被っており、一見すればそこらにいる暗部と変わらない。これでハルトと見抜くのは難しいだろう。
分体と本体は頷き合うと同時にその場を離れた。
「母さんっ! 汐音ぇ!」
ハルトは母たち
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