SIDE:A
第一話
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運命の時がやって来た――。
† † †
その日、ハルトはいつものように火影邸の書庫で本を読んでいた。
椅子に座りリラックスした様子で本を読むその姿はどこか微笑ましい。しかし、ハルトが読んでいる本が童話などの子供向けの本であるのなら、だが。
「……んー……む〜……」
難しい顔で時々唸りながらページを捲るハルト。彼が現在読んでいる本は『子供の人生計画!〜将来を見据えて〜』という教育に関する本だった。
母であるクシナが妊娠して十ヶ月。出産日が今日らしく、母は現在家で命がけの大勝負に出ている。その付き添いとして父も家に戻っていた。
ハルトも心配ではあるが自分が傍にいてもできる事はないし、実はそこまで不安はない。
それにあの両親のことだ。母は「このくらい、どうってこと……ない……っ! ってばねー!」と驚異的な精神力と根性で乗り切るだろうし、天然な上に心配性な父はむしろハルトがそばにいると「ああっハルト! クシナ大丈夫かな!? 僕は心配で心配でしょうがないよ〜!」とこっちまで飛び火するだろう。狼狽する父はぶっちゃけウザイ。
ハルトの弟か妹が出来るのだと両親から嬉しそうに聞かされてからというもの、少年もまだ見ぬ家族の顔を楽しみにしてきた。そのため良き兄として今から勉強をしていたりする。
静寂に包まれた部屋の中、ページを捲る音だけが支配する。
「……ふぅ……。んー……!」
一通り読み終えたハルトは大きく伸びをして、凝った体を解した。
元の書棚に本を戻したハルトは近くに据え置かれていた姿見に映る自分を見つめた。
鏡の中の自分はきょとんとした目を向けている。
「髪、ちょっと伸びたかな?」
そろそろ目もとを隠しそうな前髪を弄りながら「そろそろ切らなきゃ」と呟いた。
ハルトの髪は母であるクシナ譲りの赤い髪で、男の子にしては少し長めの髪形である。首元まで伸びているため、その父譲りの整った顔立ちと相まい一見すると女の子のようにも見えた。
父と同じ群青色の目はパッチリしており、そっちの趣味を持つお姉さまからは大変ウケが良さそうな容姿をしている。火影の息子として恥ずかしくないようにと、淡い青色の着物をきっちり着こなしているのも要因の一つとして言えよう。
「そろそろ、だよな。大丈夫……この日のために準備してきたんだから。大丈夫だ。大丈夫……」
チャクラの扱いにも慣れてきたため【創造忍術ノート】も活かせるようになったハルトはまだ見ぬ大事件に備えてある忍術を開発してきた。実験段階
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