Chapter U:Xenogenesis
第08話:desiderantes
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ダンジョン第50階層の異常事態を切り抜けた【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者の面々――フィン、リヴェリア、ガレス、アイズ、ベート、ティオナ、ティオネにレフィーヤ達は、37階層で先に逃げていたラウルたちとの合流を果たし、地上へと帰還している途中だった。
本来ならば中層では団員たちに経験を積ませるために第一級冒険者は戦闘に出張らないという形を取っていたのだが、度重なる異常事態によって予備の武器や荷物などが少ない上に団員たちの疲労も大きい現状を考慮し、アイズ、ベート、ティオナ、ティオネの四人が先頭に立って隊列前方のモンスターを片付けていた。
「あー、やっぱり大双刃が使いたーい!」
「アンタが団長の指示聞かずに突っ込むから壊したんでしょうが。」
「やっぱりバカゾネスだな。」
「ベートうるさい!」
「お前が言うなお前が!」
あれほどの戦闘をしておきながら和気藹々とモンスターを片づけていく光景に、うへぇ、と下の団員たちが尊敬とも呆れともとれる声を溢す中、第17階層でベート達の目の前に『ミノタウロス』の群れが出現した。
「ほら、ベートがうるさいからミノタウロス来ちゃったじゃん。」
「お前マジで喧嘩売ってんだろ?そうなんだろ?あァ!?」
「あー、マジでバカの世話が嫌になってきた。」
「大丈夫、ティオネ?」
「…こっちはこっちで天然か。」
中層で出現するモンスターの中では一番強いミノタウロスだが、ここよりも30層以上離れた階層で戦う彼らに取ってみればただの雑魚。アイズを筆頭に瞬く間に半数近くが殲滅され、残りの半数を殲滅せんとしたその時だった。
『ヴォオオオオオオオオオオ!?』
残りのミノタウロスが逃亡した。
『…』
『……』
『ヤバッ!!!!!』
一瞬、フィンですら思考が停止した。
そして一斉に【ロキ・ファミリア】総出で駆けだした。
「上層の冒険者に被害が出る前に駆逐しろ!!」
「わ、私はどうしたら!」
「杖で殴れ!」
「まさかの物理!?」
【ロキ・ファミリア】にとっては雑魚でも、他の中層の冒険者にとっては強敵だ。それが群れで向かって来るのだ。もし何かあってからでは遅いし、フィンをはじめとして【ロキ・ファミリア】の面々は人格者が揃っている。自分たちが逃がしたモンスターのせいで犠牲が出てしまっては気分が悪い。
フィンですら全速力で駆け出す中、近接戦闘が苦手なレフィーヤ達魔導士部隊に「物理で殴れ」と指示が出るくらいにヤバい状況なのである。
16階層、15階層、14階層――。
どんどん上へと上っていくミノタウロスを追い付いた者から瞬殺していくも数が多すぎた。
「12階層を超えたぞ!」
「一匹も逃
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