第16話 待ち望んだ再会
[10/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。僕もお父さんを支えていくよ」
「ああ、そうだな」
罪悪感で顔を苦痛にゆがませるお父さんに、さっきガイさんに教えてもらった事を話した。するとお父さんも吹っ切れた様子になった。
過去は変えられない、でも未来は変えていける。生きているんだからこそ前に進める事を僕は実感した。
「二人だけやないで、俺らも一緒や」
「ああ、俺達も西風の旅団と共にある」
「私だって今度こそリィンを守って見せるわ」
「お前ら……」
ゼノ達も吹っ切れたようだ。あっ、そういえば……
「団長、フィーはいないの?」
「フィーなら……」
団長が視線を向けたほうを見ると、そこには僕がずっと会いたかった少女が立っていた。
「フィー……」
「リィン……」
最後に見た時よりも成長したフィーを見て思わず涙を流してしまった。
「フィー、ごめんね。ずっと心配かけて……」
僕はフィーに近づこうとするが、彼女はビクッと体を震わせて僕から離れた。
「フィー、どうしたんだ?」
「…………」
フィーは僕を恐れているように見ている。触れたいけど自分にはそんな資格がない、そんな風に思っているのかもしれない。
「フィー」
僕はフィーに近づいていく、フィーはまたビクッとして逃げようとしたが僕はフィーの右腕を掴んで今度は逃がさないようにする。
「……離して」
「どうして?やっと再会できたんだよ?」
「わたしには貴方に触れる資格なんてない、わたしのせいでリィンは苦しむことになった……わたしは貴方に触れちゃ駄目なの」
……そうか、フィーはあの時の事をまだ気にしてるのか。誰よりも家族を思う彼女の事だ、未だに自分のせいにして自分を許せないんだろう。
「フィ−……」
「あっ……」
僕はフィーをそっと抱きしめた。昔と変わらない小さな体だ、でもこうして抱きしめるとよく分かるんだ、フィーが一番変わった事に。
体の筋肉の付き方も纏う闘気も動きも立ち振る舞いも以前のフィーとは全く違う、それは猟兵としての物だった。優しいこの子の事だ、きっと自分を責めて僕の為に猟兵になったんだと僕は思う。
「動きや服装で代替把握できたよ。フィー、君は猟兵になったんだね」
「うん…」
「それは僕の為?」
僕がそう聞くとフィーはコクンと首を縦に振った。
「……そっか、そんなにも君を追い詰めちゃったんだね。僕のせいでフィーを苦しめてしまったんだ」
「違う、リィンは悪くない!わたしはあの時何もできなかった!貴方を置いて逃げる事しか出来なかった!そんな弱い自分が嫌だった…」
「フィー……」
ポロポロと涙を流しながら自
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ