第16話 待ち望んだ再会
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エレナちゃんも守ってやれなかった……本当にごめんな…」
涙を流すお父さんを見て僕はいてもたってもいられずにお父さんに抱き着いた。
「お父さんは悪くないよ!こんなボロボロになるまで思ってくれて……そんなお父さんが親失格な訳ないよ!」
「リィン……」
泣きながら僕はお父さんにそう言う、僕だって同じだよ!こんなに皆に……お父さんに心配かけたんだ、息子失格だよ!
「僕は皆の事を……西風の旅団という家族を忘れて死んじゃおうとしたんだ。昔お父さんに命を軽んじるなって言われたのに……皆の思いを踏みにじる最低の行為だよ。でもある人が教えてくれたんだ、僕が死んだら悲しむ人がいるって……だから僕、ずっとお父さんに、皆に会いたかった。その為に必死で生きてきたんだ。だから親失格なんて言わないで……僕のお父さんはお父さんだけだよ、大好きなお父さんだもん……!」
「リィン……!」
お父さんは壊れ物を扱うようにそっと僕を優しく抱きしめる。
「心配かけてごめんなさい……本当にごめんなさい…」
「俺こそごめんな……本当に…ごめんな…」
泣きながら抱きしめ合う僕とお父さんをゼノとレオ、姉さんが泣きながら見守っている。
「……俺達は邪魔だな」
「そうですね……」
セルゲイさん達も気を使ってくれて会議室から出ていく、僕は久しぶりに流す涙を止めることが出来なかった。
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「落ち着いたか?」
「うん、もう大丈夫だよ」
しばらく時間が過ぎてようやく気持ちが落ち着いてきた僕は改めてこの二年間何があったのかを皆に話した。
「俺らも褒められた生き方しとる訳やないけどホンマもんのクズやな」
「…………」
普段は飄々とした態度を崩さないゼノが拳を握りしめる、レオも表情は変わらないが明らかに怒りを露わにしていた。
「でもそんな過酷な中で生き残ってどんなに辛かった事かしら……」
僕が生きて帰った事への喜びとそんな過酷な環境から救ってあげられなかった自分への嫌悪感という感情を混ぜたような表情をしながら、姉さんは震えながら僕を抱きしめる。
「改めて聞いて自分が嫌になるぜ、大事な息子を助けてやれなかったんだからな」
「お父さん、僕が教団にされてきた事はもう変えられない現実なんだ。でも起こってしまった事を後悔しても何も始まらない、過去は変えられない、だから今を大事に生きて行こう、これから先の未来を」
「……未来か、お前がそう言ってくれるなら俺は改めて誓わせてほしい。今度こそお前を、家族を守って見せると……こんな情けない俺だがいいか?」
「勿論だよ、でも僕は守られるだけじゃない
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