第16話 待ち望んだ再会
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声をかけられて振り向くとそこには…忘れる訳がない、ずっと昔から見ていた人達がいた。
「ボン……ホンマにボンなんか?」
「……」
後ろで髪を束ねていつも飄々として僕をからかうがいつも僕の事を思ってくれる人……そしていつも寡黙で無表情だが大きくてゴツゴツした手で優しく撫でてくれる人がいた。
「ゼノ、レオ……」
決して涙なんかみせないこの二人が大粒の涙を流している、そして二人の間にいるいつも僕を優しく慰めてくれた実の母のような人が僕を見た瞬間地面にへたり込んで泣き出してしまった。
「リィン……本当に…本当に良かったぁ……」
「マリアナ……姉さん…」
本当に心から安堵するように顔をグシャグシャにして泣いてる。こんなにも心配をかけてしまったのか……
「……リィン」
「ッ!?」
この声を聴いた瞬間僕の心臓は破裂しそうになるくらい鼓動が早くなる、一番会いたかった人なのにどうしても体が萎縮してしまう。
「団長……」
西風の旅団団長であり『猟兵王』と多くの人から恐れられた僕が知る最強の存在ルトガー・クラウゼル。
でも今の団長はとても最強と呼ばれる男には見えなかった、生気の無い目に痩せこけた頬……どれだけの心配をこの人にかけてしまったか分からない。
「あ、あの団長……」
「……」
何も言わず僕の傍に来た団長は、僕の前に立つと屈んで目線を合わせてくる。
「……」
「……」
団長は何も言わないで僕の目をジッと見ている。僕も唯団長の目を見る事しかできない、そんな状態が数分くらい続いてようやく団長が話し出した。
「……成長したな」
「えっ……?」
「背も伸びたか、体つきも二年前と比べたら逞しくなったな」
「う、うん……」
「声も少し大人っぽくなったか?それとも久しぶりにお前の声を聴くからそう感じてしまったのかな」
「それは、どうだろう?自分じゃ分かんないや」
まさかこんなことを言われるとは思ってなかったから驚いてしまった。
「でも一番変わったのは目だな」
「目?」
「前のお前はもっと輝いた目をしていた、年相応の綺麗な目だった。でも今のお前の目は曇ってしまってる。隠していても分かる、どんな地獄にいたのかも……」
「団…長…」
ふと団長の顔を見てみると泣いていた、決して人前では泣いたことのないあの猟兵王が泣いていたんだ。
「俺は……本当に親失格だ。お前にそんな目をさせちまった……守ると言って二年もほったらかしにしちまった最低の親だ。正直どんな顔してお前に会えばいいか分からなかった……」
「……お父さん……」
「ごめんな、俺は口ばかりの無能だ。お前も
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