第16話 待ち望んだ再会
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「……可哀想」
「ロイド?」
「可哀想だよ。だってお母さんと離れ離れになるなんて……ねえ皆、この子のお母さんを探してあげようよ」
「えッ、この広いクロスベルを?流石に難しいんじゃないかな」
「でもやっぱりお母さんに会わせてあげたいし、僕諦めたくないよ」
ロイドは何処か寂しそうにそういった、まるで小猫を何かに重ね合わせるようにも見えた。
「よし、僕達で探そう」
「えー、流石に難しいんじゃないかな?」
「それでももしかしたら見つけられるかも知れないでしょ?可能性がゼロじゃないならやってみてもいいと思う」
「もしかしたらひょっこり親が現れるかもしれないしなー」
「リィン、オスカー……」
僕とオスカーの言葉にロイドは嬉しそうに笑みを浮かべる。
「もうしょうがないわね、私も協力するわ」
「ありがとうウェンディ」
「でもどこを探すんだ、クロスベルは広いぞー」
「とにかく猫が集まる所に行ってみよう、もしかしたらオスカーが言ったみたいに親猫がこっちを見つけてくれるかもしれない」
「じゃあまずは住宅街に行ってみよう、猫がいっぱいいるのを見た事があるんだ」
僕達は小猫の親を探すために住宅街に向かった。
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「見つからないなー」
「そうね、色んな所に行ったけどいないわね」
住宅街や西通りと一通りの区域を周ったが小猫の親は見つからなかった、僕達は今中央広場の大きな鐘の前にいる。
「ロイド、やっぱり私達四人じゃ探すのは無理よ」
「大人に頼った方がいいかもなー」
「……そうだね」
流石にこの広いクロスベルの街から小猫の親を探すのは無謀かもしれない、そう考えていると小猫がロイドの手から逃げ出した。
「あ、待って!」
ロイドが捕まえようとするが手が届かず小猫は鐘の下にあった大きな穴の中に入っていった。
「あ、マンホールに入っちゃった!」
マンホールに入ったって事はジオフロントに入ったってことか。それは不味いな、ジオフロントとは地上の建造物が密集した過密都市において、地価の高騰や環境問題に対応するため、地下空間の有効利用を図ったもので単純に地下に都市機能を作っており今も尚開発の手が加えられているらしい。
そんなジオフロントだが問題がいくつかありその一つが魔獣が現れることだ、その為普段は入れないようになっているが今回は誰かの不注意でマンホールが開いていてそこに小猫が入ってしまったようだ。
「ど、どうしよう!」
「大人を呼んだ方がいいよ」
「僕、連れ戻してくるよ!」
「……ロイド!?」
ロイドはそう言うなり柵を超え
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