第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#15
戦慄の暗殺者 〜White Stranger〜
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ない” という事が思考の死角を生み、彼に倒されてきたようだ。
これは 「本人」 の口から直接聞いたから、おそらく本当の事だろう」
花京院はそこで一端言葉を切って、承太郎に考えをまとめる時間を与える。
「……その紅世の徒、フリアグネとか言うヤローは今屋上にいる……
それで間違いねーのか?」
そこまで考えが廻らなかった、己の甘さに歯噛みしながら承太郎は言葉を紡ぐ。
「ああ。派手好みで高慢な男だったから 「下」 は下僕に任せて、
自分は 「上」 で高見の見物を決め込むという可能性が高い。
マジシャンズはボク達 『スタンド使い』 とは違う異界の能力者、
“フレイムヘイズ” だったな? だとしたら状況はフリアグネに有利だ。
“狩人” の能力で彼女を 「人質」 にでも取られれば、君は一切手が出せなくなる」
「クッ!」
想わず悔恨が口をついて出る。
この “封絶” という奇妙な空間を生み出す能力を使う相手は、
自分では直接手を下さない、黒幕的な性格を持つ者であるという事には
とっくに気がついていた。
何よりDIOの配下の者であるという時点で、
正攻法のやり方が通用しないという事は推して知るべしだったのだ。
「クッ……シャナ……!」
一人にするべきではなかった。
承太郎の脳裏に、己の紅蓮の炎に焼かれる少女の姿が過ぎった。
「シャナ? マジシャンズの事か?」
花京院の問いに承太郎は視線だけで頷く。
そして苦々しい想いを噛み砕きながら、花京院の考えを肯定した。
「花京院、確かにオメーの言うとおりかもしれねーな。
そのフリアグネとかいうヤローはまず
“オレじゃあなくシャナに狙いを絞ったんだ”
対複数戦の場合、倒せるヤツから着実に潰していくのは定石中の定石だからな。
アイツの 「能力」 は、DIOのヤローを通して敵のヤツらに知れ渡っている。
つまり 「弱点」 までもだ! 今まで倒したスタンド使いの事も含めて、
“アイツの能力は敵に研究し尽くされて” やがるッ!」
承太郎はささくれ立った神経を宥める為、煙草を取り出し火を点けた。
細い紫煙が鋭く口唇の隙間から吐き出される。
彼らしくない、苛立ちを露わにした吸い方だった。
「そしてアイツは! 一見冷静に見えて実は直情的で考えなしな所がある。
テメーに対する 「挑発」 は受け流せてもそうじゃあねぇ、
例えば身内のヤツとかを 「侮辱」 されたらカッとなって、
一気に相手の射程圏内に招き寄せられる可能性は大だ。
そうなりゃあもうその 『銃』 の餌食、
イヤ、もう片足突っ込みかけてっかもしれねぇ……!」
紫煙と共に苦々しく言葉を吐き捨てながら、
承太郎はチャコールフィルターを噛み潰した。
(フリアグネ……ソイツはシャナを|誘
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