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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第88話
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…そしてクロスベルから去って行ったジョーカーさん達は今何をしているのか……それら全ての疑問に対する答えを持つレンに何度聞いてもレンはその度にはぐらかし、結局その答えを口にする事はなかった。



そして―――――



白熱した市長選が終わり、俺達が通常業務に戻った日………俺達は新市長となったディーターさんからある話が持ちかけられた。それは”特務支援課”の態勢強化であった。



自治州であるクロスベルが自らの力で自治と自衛ができるという事を他国に知らしめて大国の介入を阻止し、クロスベルの自治を為す為に遊撃士協会と共に”D∴G教団”を解決に導いたクロスベル警察に所属している”特務支援課”はクロスベルのクロスベルによる自治を象徴する存在であると思い、そんな俺達に更なる活躍をして欲しいと思っているディーターさんは俺達が持つそれぞれの長所を伸ばして、心機一転した”特務支援課”がクロスベルで活動を再開してはどうかという提案であった。



俺達は互いに話し合って考え抜いた末、その提案を受ける事にし、俺は捜査官としての腕を磨く為に捜査一課の研修する事に、エリィは自身が持つこれまで培ってきた政治学のノウハウを生かし、各国とのコネクションをより強化する為にクロスベル州議会の再編に伴って各国に外遊するマクダエル議長に同行する事に、ティオはエイオンシステムや魔導杖(オーバルスタッフ)の強化の為にレマン自治州にあるエプスタイン財団の本部に戻り、エイオンシステムや魔導杖の研究開発の手伝いをする事に、ランディは少しでも猟兵時代の強さを取り戻す為にヨアヒムによって操られたクロスベル警備隊のリハビリに協力する為に再訓練の教官として務める為に一時的に警備隊に戻る事になり、その結果”特務支援課”を休止し一時解散する事になった。



俺達がそれぞれ自分達の長所を伸ばす事を決めた中、予定していた”特務支援課”の出向期間を延長していたレンにとってはちょうどいい機会の為、レンは警察を退職して”特務支援課”を去る事になった。”特務支援課”を去るレンの話によると警察を辞めた後はリベールに帰って遊撃士に戻る訳ではなく、オリヴァルト皇子の依頼によってエレボニア帝国の士官学院のあるクラスに編入するとの事だ。それぞれの長所を伸ばす為にクロスベル市に残る俺を除いてクロスベル市から去るエリィ達を俺や課長、そしてツァイトやキーアと共に見送ったレンは約1週間クロスベル市内で遊撃士として活動した。



そしてついにレンがクロスベルを去る日が訪れ、俺はキーア達と共に真新しい深紅の学生服を身に纏ったレンを見送ろうとしていた。



6月23日、同日08:50―――――



〜クロスベル駅〜



「――――出発時刻にはまだ少し早
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