暁 〜小説投稿サイト〜
貰った特典、死亡フラグ
自分の流儀を貫いて
11話:自分で建てる、だめなフラグ
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 つんっと塩の香りが鼻につく。周りでは、様々な音が鳴り響いている。

(あれ……何してたんだっけ……、ここ……どこ……?)

 段々と鮮明になっていく視界の中、まず見えたのは、飛空挺“フッケバイン”と“ヴォルフラム”。そして、遠くでは誰かが戦闘をしていたのが見える。あ、誰か落ちた。

「そうだ……俺、“ヴォルフラム”の上から落ちだんだっけか……」

 “ディバイドゼロ・エクリプス”を喰らい、姿勢制御ができず、加速の勢いをそのままに、海へと落下。カッコ悪い……。

「てか、あんなに辛いものだったのかよ」

 俺が落下して、どのくらい時間が経ったのかはわからないが、身体のダルさというか、震えがまだおさまらない。俺の身体が弱いのか、それとも“ディバイドゼロ・エクリプス”が強力なのか。恐らく、前者だと思うのだが……。

「それにしても、海に落ちて、全身打撲でもしてるかと思ったけど、大丈夫だったのか?」

 辛い身体にムチを打ち、なんとか起こしてみると、俺は“蒼十字の書”のページが敷き詰められた上にいることがわかった。どうやら、俺のクッションになっていてくれていたようだ。ありがたい。でも……“蒼十字の書”が勝手に何かをするというのはかなり珍しい。戦闘記録は毎回録っているようだが、“蒼十字の書”による攻撃や防御は一々要請しないとやってくれないし、戦闘が終わるとすぐにいなくなる。これは、ドライバーの保護機能かな? しかし、なぜか俺がゲームをしていると絶対に隣にいる。見ているのだろうか?

「何はともあれ、ありがとう、蒼十字」

『要請によるドライバーの保護、完了』

 たぶん、会話が噛み合ってない。てか、誰が要請したんだ?ここには俺しかいないんだけど……。

「まぁ、考えても仕方ないか。今、出来ることを探さないと」

 敷き詰められたページは、大きさが畳4つ分くらい。しかも、そのまま“フッケバイン”と“ヴォルフラム”と並走するように飛行していた。本当に多機能すぎる。最近は動作が遅いけど。

「とりあえず、もう一回“ヴォルフラム”に行ってか…………何あれ」

 見上げていると、そこに大きな氷の塊が出現した。それは今まさに“フッケバイン”の上に落ちようとしている。あれは、八神はやて司令の“ヘイムダル”だ!

「えっと……“ディバイドゼロ・エクリプス”が二巻の終わりだろ。で、“ヘイムダル”が出てくんのはたしか三巻の最後らへん……どんだけ俺、気絶してんだよ!? よく、捕まらなかったな!」

 これも、“蒼十字の書”のおかげか。とにかく、早く“ヴォルフラム”に行って状況の確認をしないと。可能なら、八神はやて司令を止める!

「念のため、転移の準備をしとこう。蒼、よろしく!」

『…………Jud。座標算出開
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ