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本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter U:Xenogenesis
第07話:abnormality
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 ――ダンジョン第50階層。
 普段はモンスターが発生しない安全階層(セーフティポイント)であり、ダンジョンでも数少ない休憩地帯(レスト・ポイント)である。攻略最前線の【ファミリア】――殆どが【ロキ・ファミリア】だが――がキャンプ地として利用する場所でもある。
 だが、ダンジョンでは良くも悪くも常識が通用しない。
 往々にして発生する、冒険者を屠らんとするダンジョンの狡猾な罠。つまりは、異常事態(イレギュラー)
 突如として大量発生した、第一級冒険者の皮膚や武器すら溶かす腐食液を吐きだす芋虫型の新種のモンスターに、【ロキ・ファミリア】の面々は苦戦を強いられていた。

「だぁーッ、私の大双刃(ウルガ)がーッ!!」
「うるさい馬鹿ティオナ!」
「喋ってねえでさっさと動けバカゾネスがッ!」
「ベートこそ全然役に立ってない癖にー!」
「喧嘩売ってんのかあァ!?」

 訂正。第一級冒険者の面々は割と余裕がありそうである。
 だが、今回の遠征に参加してキャンプにいたサポーター及び第二級冒険者の面々にはそんな余裕は無い。
 不壊属性(デュランダル)を持つ武器を唯一所持しているアイズと、リヴェリアを始めとした後衛の魔導士組を主軸に何とか戦況は五分を呈しているだけで、その他の冒険者たちは予備の武器を湯水のように消費している現状ではいずれは限界が来る事は目に見えていた。

「フィン!そろそろ予備の武器が切れるぞ!」
「いや、モンスターは後少しだ!このまま押しきれ!アイズ!」

 後衛のリヴェリアから飛んでくる情報をもとに、即座に戦況を判断し、殲滅の指示を出すフィン。
 腐食液を魔法で弾く事が出来るアイズを主軸に、第一級冒険者の面々もモンスターの破裂で飛散する腐食液によるモンスター同士の同士討ち(フレンドリー・ファイア)を誘発するなどして臨機応変に対応する。
 途中でブチ切れたティオネが素手で腐食液を浴びながら魔石を掴みだすなどの荒業も見せ、【ロキ・ファミリア】の面々は、数分後には何とか新種のモンスターを殲滅するのだった。


「リヴェリア、予備の武器(ストック)は後どのくらい残ってるかい?」
「あまり芳しくないな。全員分の武器が後一つずつ、といったところか。」
「『竜の壺』のアタックは厳しそうじゃのう」
「腐食液を被った者達は幸い万能薬(エリクサー)で何とか一命をとりとめたが、回復薬(ポーション)の類も心細いな」

 戦闘後すぐに損害等の確認をするフィン、ガレス、リヴェリアの首脳部。
 本来の目的は未到達階層、59層への到達だが、この状況で52層〜58層にわたる『竜の壺』へのアタックは厳しいというのが三人の共通の見解だった。

「ラウル。キャンプの撤退準備を。準備が整い次第撤退する。指揮は君に任
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