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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#14
蒼い霹靂 〜BLACK OR WHITE?!〜
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きの川、氷縛の巨人、か……
なかなか洒落が利いてんな……? 炎の魔神さんよ……」
 細く紫煙を吹きながらアラストールに向けて言う。
「多識だな? 貴様」
「別に。サボって暇つぶしに読んだ、古典の受け売りだ」
(ダンテの『神曲』……第九圏…… “裏切者の地獄” ……)
 承太郎の呟きに “天道宮” の書庫で読んだ古典文学の原本をシャナは思い出した。
 承太郎の自分に匹敵する知識の量に、シャナは高揚する気持ちを押し隠しながら
アラストールの説明を補足する。
「つまり、アラストール本人は契約者であるこの私の(うち)にいて、
このペンダントはその意思を表に出す仕掛けってことよ」
「契約者、ね……それで王と契約した者が、特殊能力を持った
“フレイムヘイズ” になるってわけか?」
「その通りよ」
と言って思わずニッコリ微笑みそうになるが、
そこは強靭な意志の力で言葉と表情を押し留める。
「じゃあオメーは、元は 「人間」 なのか? シャナ?」
 剣呑な瞳で自分を見てくる承太郎にシャナはキョトンと返す。
「何だと想ってたのよ?」
(あけ)ぇ眼と髪のうるせーガキ」
「こ、こいつ!」
「冗談だ」
 拳を振り上げたシャナを承太郎は新しいビールのタブを捻りながら押し止めた。
「まぁ、大体の(コタ)ァは解ったぜ。
要するにシャナ、オメーが 「本体」 で
アラストールが 『スタンド』 みてーなモンだな」
「ぜッッッんぜん違うッッ!!」
 そう言って缶を口元に運ぶ承太郎にシャナの怒声が轟いた。
 あながち間違いではない、独特な解釈なのだがそこは強く否定する。
 そしてアラストールが承太郎の結論に付け足した。
「まぁこの子は、フレイムヘイズの中でも少々異質な存在でな。
フレイムヘイズの大半は紅世の徒に強い恨みを持ち、
「復讐」を戦いの動機と目的とする者が多いのだがこの子は違う」
「ほう? じゃあこいつの 「家族」 とかは、
別にあのバケモン共に喰い殺されたってわけじゃあねーんだな?」
「ッ!」
「家族」 と言う言葉にシャナの小さな肩がピクッと反応する。
「……」
 その反応が少々過剰だったので失言だと判断した承太郎は、
「あぁ、そいつぁオレの知った事じゃあねー話だな。わりーが忘れてくれ」
と、静かに自分の言葉を取り消した。
(此奴……)
 承太郎のその想いに、心の中でほんの少しだけ笑みを浮かべたアラストールは
厳かに話を続ける。
「この子は幼き頃からフレイムヘイズになるべくして養成された子。
“在るべくして在る者” とでも今は言っておこう」
 そのアラストールの言葉に、承太郎はビールの缶を口に運びながら静かに言った。
「“在るべくして在る” ね。似合いの呼び名のようだな? シャナ」

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