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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#14
蒼い霹靂 〜BLACK OR WHITE?!〜
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をシャナの前に置いた。
「これでいいんだろ?」
 件の如く剣呑な瞳を向ける承太郎。
「う、うん……」
 力無く頷いたシャナを一瞥すると承太郎は袋からまた新しい缶を取り出した。
 そのまましばし、無言のまま互いの食事に専念する。
 何故か2つ目のメロンパンを口に運ぶシャナの手つきは辿々(たどたど)しかった。
 そして中身の無くなったビニール袋に、不用物が詰め込まれ先端が結ばれた後。
「よぉ?」
「ひゃわッ! ななな、なに!? 何か用!?」
 ビールの缶を運びながら口を開いた承太郎に、シャナが過敏に反応した。
「オメーが属してるとかいうその戦闘組織……
“フレイムヘイズ” っつーのは一体何なんだ?」
「な、何でいきなり、そんな事訊くの?」
 まだ動揺が収まらないシャナが、そう聞き返す。
 どこぞの殺人鬼が聞いたのなら “質問を質問で” 以下略。
「さぁな? ただ何となく興味が湧いただけだ。
ジョースターの男は昔ッから妙な事に首を突っ込みたがる性質があるようでな。
オレもその血を引いてるって事だろ?」
 ビールを飲みながら承太郎は他人事のように言った。
「ま、言いたくねーんなら、無理には聞かねーがよ」
 そう言いながら4本目を空にすると、承太郎は制服の内ポケットから
煙草のパッケージを取り出し口に銜えて火を点けた。
 端正な口唇の隙間から紫煙が細く吐き出される。
 シャナは煙草は味(無論未経験故の独断)も匂いも死ぬほど嫌いだが、
何故か承太郎が吸っている仕草には嫌悪感が湧かない。
 未成年が煙草を吸うのは堕落した行為の筈だが、
承太郎の煙草を吸う仕草は不自然なほど自然に感じられた。
「“紅世の徒” によって、世界が歪んでしまうのを防ぐために“徒”と戦う者達。
世界の歪みを憂い、同族を倒す決意をした“紅世の王”をその身に宿す事によって
不老の肉体を持ち、死ぬまで”紅世の徒”との戦いを続ける「使命」を負った者」
 胸に手を当てて動揺を抑えたシャナは可能な限り簡潔に、
“フレイムヘイズ” の概念を承太郎に説明する。
 承太郎はその説明を鋭敏な頭脳で即座に呑みくだすと
口唇の端に煙草を銜えたままシャナを見つめた。
「その中の一人がオメーか。シャナ」
「そう」
(……)
 承太郎は灰皿代わりの空き缶に慣れた手つきで煙草を弾く。
「王を “その身に宿す” っつーことは、
そのペンダントはアラストールの 「本体」 じゃあねーのか?」
 それにはシャナの代わりに胸元のアラストールが答える。
「うむ。これはこの子の内に蔵された “紅世の徒” たる我、
その意思だけをこの世に顕現させる、 『コキュートス』 という神器だ」
 承太郎は二本目の煙草に火を点けながら静かに呟く。
「コキュートス……嘆
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