暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#14
蒼い霹靂 〜BLACK OR WHITE?!〜
[7/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
女の 「養育係」 がみたら
「ご自身の失態の結果であります」
と評しそうな、いっそ清々しいくらいの逆ギレっぷりだった。
 目元の涙を拭いムクれたまま口直しにシャナは袋からチョコスティックの
入った箱を取り出す。
 その前に、それとは別の箱が差し出された。
「……?」
「酒は口に合わなかったみてーだな? ならこっちはどうだ? 試してみな」
 承太郎が表情を変えないまま、袋から最後に残ったボックスのサンドイッチ
を取り出してフタを開け、ソレを目の前に突き出していた。
 半透明の容器の中に白いパンに挟まれた綺麗に揚がったチキンカツ、
照りのある焼き色の付いたローストビーフ、艶めかしい色彩の
スモークサーモン等がバリエーション豊かに並んでいる。
「……」
 特に断る理由もないのでシャナは左端のカツサンドを手に取って口に運んだ。
「……ッッ!?」
 柔らかいパンの感触にこんがりと揚がった香ばしい衣が調和し、
特製のソースが脂の乗った肉と歯応えが良い野菜とに絡みついてパンと融和する。
 久しぶりに (初めて?) 甘い物以外に美味しさを感じ、
「お」
と思わず本音が口を付いて出そうになるが、そこは誇り高き (天の邪鬼なとも言う)
フレイムヘイズ、炎髪灼眼の討ち手。
「ま、まあまあねッ!」
 そっぽを向いて残りを口に運んだ、
ちゃっかり左手で2切れ目を取りながら。
 承太郎はホットドッグの残った切れ端を口の中に放り込むと
そのまま2本目を飲みきってしまう。
 袋の中の新しい缶に手を伸ばす前に、承太郎はシャナの目の前で
放置されている、中身が殆ど減っていない缶を手に取った。
「あ……ちょ、ちょっと」
 その缶を口元に運ぼうとしていた承太郎をシャナの声が制する。
「アン?」
 承太郎は缶を口に持っていく仕草のままでシャナを見る。
「その……だ、だから……」
 そう言ってシャナは口籠もる。
 口の中で何かごにょごにょ言っているが、言葉になっていないので判別不能だ。
 しきりに承太郎の口唇と缶の飲み口とを気にしていた。
「やれやれだぜ……」
 その意図を解した承太郎が目を閉じて静かに呟くと、
背後でスタンド、スタープラチナが異質な音と共に出現した。
 そして人差し指を立て(おごそ)かに構えると、
「オッッッラァァァッッ!!」
精悍な掛け声でその指先が鋭く缶の底辺部を刺し貫いた。
 あまりの速さとキレに中の液体も一瞬反応が遅れ、
凹凸が全くない綺麗な楕円状の空洞から泡立つ黄金色の液体が勢いよく流れ落ちる。
 承太郎はその放物線の下で口を開くと、
所謂 “ショットガン” の方式で喉を鳴らしながら
流れる液体を全て飲み干す。
 そして中身が全て無くなった缶を手で潰すと
微かな音を立てそれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ