第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#14
蒼い霹靂 〜BLACK OR WHITE?!〜
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PW財団特性のモノだ。
服装は不良でも、その風貌と風格は永い歴史を持つ貴族のソレであるので、
承太郎がブラックカードを所持している事に特に違和感はない。
レジ係の女性は目を白黒させて手渡されたカードと承太郎とを何度も見たが、
剣呑な表情を崩さない承太郎の雰囲気に気圧されてカードを素早く
CAT端末のスリットに通した。
支払いを終え備え付けの台の上でそれぞれの品物を
店のロゴがプリントされたビニール袋に入れる。
承太郎はビールとチーズとクラッカー、それと店内に出店していたS市杜王町を
本店とする某有名店のパンしか買ってないので、ものの数秒で作業を終える。
シャナは慣れた手つきでお菓子やパンを袋の中に入れていたが、
その量が膨大に及ぶので全体の作業工程はまだ半分と言った所だった。
「ぼさっとしてないで手伝いなさい」
「……」
荷物持ちに加えて代金まで払わされ、その上最後の手伝いまで強制される
筋合いは全くないのだが、承太郎は昨日の自在法と花京院の礼だと割り切って
この小さな暴君の命令に黙って従った。
「やれやれだぜ……」
という苦々しい呟きは抑えられなかったが。
店を出るとき、互いの手から下げた買い物袋は何故か自分の買った品物ではなく
相手のものだという奇妙な構図ではあったが、
ともあれ 『スタンド使い』 にも “紅世の徒” にも襲われる事なく
二人は無事に買い物を完了した。
さて、次なる問題は、 “一体どこで食べるか?” という事だった。
先程の公園でも別に良いのだが、二人で居るとただでさえ目立つ上に
平日の昼間、潰れた学生鞄を持った派手な服装の男がベンチで酒を飲んでいたら、
良識ある御夫人方にまず間違いなく通報されるだろう。
オマケにその脇には大量のお菓子を抱えた
自分と同じくらい目立つ存在感の美少女が居る。
警察官に職務質問を受けたら最悪、幼児誘拐だという疑いを掛けられかねない。
なので、承太郎は仕方なく「学校」に向かった。
【3】
ギギ……ギギギギギギ……
表面の塗装が剥がれた木製のドアが重苦しい音を立てる。
承太郎とシャナは、近々取り壊される予定の木造旧校舎3階、化学実験室に来ていた。
荒れた外見とは裏腹に、その中は意外と片づいている。
埃が綺麗にふき取られ、ゴムチューブで繋がれる錆びたガスバーナーが
二つ並ぶ中型の机の上には、海洋生物や遺跡、地理、歴史書、哲学書など
多数のジャンルの書物が無造作に置かれていた。
元は、2、3年の (進学校にありがちな陰湿なタイプの)
不良グループがたむろしていた場所であったが、
偶然迷い込んだ承太郎に人数と所持していた武器の虚勢と、
加えて他の
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