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奈緒あふたーっス!!
奈緒あふたーっス!!02
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の言の葉に僕らの背中に冷たい何かが流れる。

「つまり、それは能力者がタイムリープした瞬間に気付き、自身は記憶を保持したまま活動出来るということなの?」

パチンと指を鳴らし、親指を突き立てこちらに人差し指を向ける彼女は風の吹き抜けるような細い息を一つしてから返答した。

「Cool ザッツライトだ。ZHI END 自体は同じ道を辿る分岐点は把握してるから問題なかったけどよぉ、毎回毎回結構苦労したぜぇ。誰かがタイムリープする度にアタシはZHI END の初まりのきっかけを作るために痛い思いをしなくちゃなんねぇんだからな」

僕はあまりよくは知らないが恐らくそれの誰かとは僕の兄さんのことなのだろう。

Saraにそれを伝えるべきか迷っていると、思考が一歩先に進んでいる奈緒が自らの緊張を解く意味も含めて口を開いた。

「あの、タイムリープ能力者は元々彼のお兄さんなんです」

「ん?それはどういうことだ?兄弟揃ってタイムリープの能力を持ったってのか?」

さすがのSaraも驚きを隠せずに目を見開くが、奈緒が首を横に振ってそれを否定する。

「いいえ。彼の能力は略奪。つまり、能力者から能力を奪い取ることが出来るんです」

「ソイツぁアメイジングだぜ!!ちなみに今はどんな能力持ってるんだ?少しでいいから見せてくれよ!」

有宇の顔面に向かって突っ込むように身を乗り出すSaraを再び奈緒が制し、再度首を横に振る。

「すみませんが、あまり話したくありません。えっと…それが彼が記憶を失っている原因なので」

奈緒の視線が右斜め下に落ちる。

「…奈緒だったか?アンタの声でよく伝わってきたよ。すまなかったな」

「いえ」

「いや、いいんだよ奈緒。この人には聞いてもらおうと思ってるんだけど、どうかな?」

「あなたがそう言うなら、私は構いませんが…大丈夫ですか?」

「ああ。今の僕には記憶がないって感覚すらよく分からないからね」

その言葉を聞いて引き下がる奈緒は俯き、その瞳は滲んで揺れていた。

「僕は…」

そう切り出すとSaraは穏やかな表情で僕を見つめる。

「僕は今、世界中の全ての能力者から奪った能力を持っている」

唖然とした表情をしたSaraが次の瞬間には飛びかかってくるのが目に入った。

「Oh my god!マジ…なのか?」

瞳が猫のように縦線になっているSaraの驚きように一歩引く僕に対し、奈緒は一歩進んで淡々と答える。

「マジっス。恐らくその何万もの能力が脳を圧迫して記憶が無くなってしまったのだと思います」

奈緒の言葉を受けたSaraが右手で顔の右半分を押さえながら「かぁーっ!そうだったのかぁ…」と叫んで項垂れる(うなだれる)。

この
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