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奈緒あふたーっス!!
奈緒あふたーっス!!02
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ンが高かったことと、僕自身がこのバンドの曲を知らないようで凄く懐かしい奇妙な感覚を味わったということだ。

ライブ後

「さ、あんたの気になってること何でも聞きな。コイツぁサービスさ。なんでも答えてやるよ」

「えっと…何故会った記憶もないのに僕はあなたを覚えているのかが分からないんだ。あなたは僕が記憶を失う前の知り合いか何かなのかい?」

「はぁっ!?記憶を失っただと!!?」

「っ!?」

身を乗り出して僕の肩を掴むSaraと僕の間に奈緒が割って入る。

「ちょっ、落ち着いて下さい!確かに彼は現在記憶喪失でここ数ヵ月より前のことは一切覚えていません」

Saraは有宇から手を放すと頭を抱えながら悶えた。

「ジーザス!!こいつぁ何てこった!!アタシはソイツに関しては何もしてやれねえなぁ」

「ソイツに関しては…?あの、どういうことでしょうか?」

Sara言葉に引っ掛かりを感じたらしい奈緒がそれを拾う。

「あぁ、それはちょっと待ってくれよな。乙坂有宇くんだったか?」

「はい」

先程楽屋に入るときに告げた名前を確認するSaraは声のトーンを一つ下げて言う。

「まずさっきの有宇の質問に答えるなら、答えはノーでありイエスとも言えなくもない」

「は?それは一体どういう…」

「有宇はアタシを覚えていないのに、何故かアタシを感覚的に知っている。それは有宇がタイムリープ能力者、あるいはその人間に親い(ちかしい)存在だからなんじゃないのか?」

「「!?」」

「その反応はイエスとみた。違うか?」

不敵に右口角を吊り上げるSaraはこの上なくこの場に適した不気味な雰囲気を醸し出している。

「はい。彼は死んだ妹を救うためにタイムリープの能力を使って過去に戻り、それが成功して今に至っています」

「おお!あの妹を救えたのか!!!ソイツぁ是非とも会ってみたいぜ!!」

ガッツポーズをこちらに向けるSaraは自分のことのように心の底から喜んでくれる。

「でも、それをどうしてあなたが…」

Saraは奈緒の台詞に被せて言う。

「どうして能力すら持たない大人のアタシがそれを知っているのか…」

ゴクリと息を飲む二人。

「アタシは昔タイムリープ能力者だった…」

Saraの口から紡がれた言葉に、奈緒が身を乗り出す。

「!?それでも、もうその年齢なら能力を失ってるはずですから時空移動は出来ないはずじゃないですか」

「あー、違う違う。アタシはコイツを能力の後遺症だと考えているんだけどな。確かに能力は消えた…というか使えなくなっちまったんだけどな。だけどこの能力は一つ遺産を置いてったんだよ。それは時空移動の知覚さ」

サラリと呟かれた低音
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