第6章
体育館裏のホーリー
第111話 四精龍
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てね」
なるほど、雲雀さんが素直に来たのはそう言う事があったからか。
「……それに、僕らにとってはそれなりの因縁があるかもしれないからね」
「「「………」」」
兄貴の言葉に俺と千秋と姉貴は表情を険しくする。
奴らが事を起こす以上、奴が関わってくる可能性は高いからな。
「ま、とりあえず、みんな無事に帰ってきて体育祭に臨む、一番にやる事はこれだね」
そう言いながら公開された兄貴の手札はロイヤルストレートフラッシュの役だった。
━○●○━
「お帰り、父さん、母さん」
「旅行の方はどうでしたか?」
「いやー、非常に楽しかったよ!」
「まさか世界一周旅行ができるなんてねぇ!」
夕方頃にイッセー達が冥界から帰ってきてから数刻が経ち、イッセーの両親が帰ってきた。
「お帰りなさい、お父様、お母様」
「アーシアちゃん、ずっと会えなくて寂しかったよぉ!」
「そんな」
「ほんと。アーシアちゃんどうしてるのかなぁとか、私達の口癖になっちゃったぐらいよ」
「この通り、私は元気です」
アーシアとおじさん達のやり取りは微笑ましく、本当の親子の様なものだった。
「なんだか、アーシアちゃんが本当の娘みたいだね、イッセー君」
「……息子の立場がどんどん無くなっていきますよ」
「あら、だってアーシアちゃんの方が可愛いんですもの」
「アーシアちゃんが本当の娘なら良いのにねぇ」
アーシアはもじもじしながら遠慮がちに言う。
「……わ、私、両親を知らないので、そう言っていただけるだけでとても嬉しいです……」
おじさん達がアーシアの肩に手を置いて優しげな表情で言う。
「本当の親だと思ってくれて良いのよ」
「……お父さん、お母さん……」
「そうさ。ここはアーシアの家で、父さんも母さんも俺もアーシアの家族だ。部長やみんなだって、仲間で友達で家族だ」
「その通りよ、アーシア」
「……イッセーさん、部長さん……」
目の前で展開される家族団欒に微笑ましく思っていると、兄貴が小声で話し掛けてきた。
(絶対守ろうね、この温かい団欒を)
(そうだな)
小声で答え、アザゼルの言う作戦に向けて決意を新たにする。
「それにしても、体育祭に間に合って良かったよぉ」
「そうね。アーシアちゃん、親としてバッチリ応援に行くからね」
「なら、その勇姿をしっかりカメラに収めて、また鑑賞会をしましょうか」
「おお、良いねぇ!」
うっ、それは勘弁して欲しいんだが……。
━○●○━
イッセー達の冥界でのテレビ取材の翌日の夜、俺はイッセーと木場と戦闘の訓練をしていた。
「……ふぅ……」
「流石だね、明日夏君。中々近付けなかったよ」
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