第6章
体育館裏のホーリー
第111話 四精龍
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地はありますよ」
柔和な表情をしていた兄貴が唐突に狡猾そうな笑みを浮かべてアザゼルを見る。
表情は笑顔だが、その目は真面目で真剣なものだった。
「気付いてんのかよ。だったら話は早い。ポーカーでもやりながら話させてもらうぜ」
アザゼルはカードをシャッフルしながら真剣な表情である事を話す。
「……じゃあ、ディオドラのあれは……」
「ああ。十中八九あいつの力だ」
「そうなると、イッセー達がやるって言うゲームは……」
「まあ、ご破算だな」
「……その事、イッセー兄達には……!」
スリーカードの役を出しながら千秋は目線を鋭くしながらアザゼルに詰め寄る。
「あいつらには悪いが、この事はあいつらには知らないままでいてもらう」
「……ッ……!」
アザゼルの答えに千秋は表情を険しくする。
「落ち着け、千秋」
ストレートの役を出しながら千秋を宥める。
「で、冬夜への頼みってのは…」
「まあ、そう言う事だ。戦力は多いに越した事は無いからな」
姉貴がフルハウスの役を出しながらアザゼルに訊くとアザゼルも頷いて言う。
「で、どうなんだ?むろん、それなりの報酬を払ったって良いぞ」
フォーカードの役を出しながらアザゼルは兄貴に訊く。
「良いですよ。報酬もいりません」
「良いのか?」
「ええ。イッセー君達が危ない目に遭うのに行かない理由は無いですね。それに…」
兄貴は俺達の方を向く。
「明日夏達も行くつもりなんだろう?」
「当たり前だ」
俺の言葉に千秋も頷く。
「俺としちゃ、あんまり若いお前さん達を戦場に送り出したくないんだがな。あいつらに関しても、事が起こったらすぐに安全な場所に避難させるつもりだからな」
「……部長が素直に避難するとは思えないんですけどね。それにイッセー達が真っ先に一番危険な場所に何も知らずに行くってのに、自分は安全な場所で無事を祈るって言うのは性分じゃねえしな」
「っと言う事なんでね。こうなったこいつは頑固だから。あと、私も行くから」
姉貴が俺の肩に手を回しながら言う。
「僕個人的にも、明日夏達には安全な場所にいてほしいんだけどね。でも、ちゃんとイッセー君達共々無事に帰ってくるんだよ」
「分かってる。そう言う兄貴もな」
俺達のやり取りを見てアザゼルは嘆息する。
「……鶇と燕にも言わない方が良いよな。知ればあいつらも来ようとするだろうからな」
「さすがに二人には荷が重いだろうからね。まあ、雲雀を連れてくってなればなんとか納得してくれるかな」
「……雲雀さんも連れてくのか?」
「元々僕達が帰ってきたのは明日夏達の体育祭の応援だけじゃないんだ。彼らが不穏な動きがあるって情報があっ
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