第6章
体育館裏のホーリー
第111話 四精龍
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
精龍の竜秘術《アーツ・オブ・エレメント》』はドラゴン系の神器と兄貴は言っていた。つまり、俺の『幻龍の緋衣』とイッセーの『赤龍帝の篭手』と同じくドラゴンを宿していると俺は思っていた。で、ビンゴだった訳だ。
『こうして話すのは初めてだな、冬夜の弟に妹二号』
「……妹二号って……」
千秋は自分の呼ばれ方に眉をしかめる。
『すみませんね。彼は人の名前を覚えるのが苦手でして。いっつも大雑把な呼び方をするのですよ』
「っ!」
新たに聴こえてきた声に俺は驚く。
『ああん!テメェバカにしてんのか!』
『……本当の事を指摘されただけであろう』
『バカなのは本当なんじゃないの♪』
さらに別の声が聴こえてきたので、俺と千秋は混乱する。
「……兄貴、まさか……」
「うん。僕の『四精龍の竜秘術』にはそれぞれの属性を司る、つまり計四体のドラゴンが宿っているんだ」
四体のドラゴンが宿っている神器って、かなりの規格外な物じゃないのか!?
兄貴に宿る四体のドラゴンがそれぞれ自己紹介を始める。
『俺は焔斬だ。火の属性を司ってる。ま、よろしく頼むぜ』
『私は瀧弩。司る属性は水。他の者共々よろしくお願いします』
『イェーイ♪オイラは秋嵐♪風を司ってるよ♪』
『……地属性を司る王巌と言う』
……なんと言うか……個性的なメンツだな……。
『ああん?お前らに名前なんてあったか?』
「どう言う事だ、ドレイク?」
『私がお答えしましょう。我々は元々ある一匹のドラゴンだったのです。話すと長くなるので割愛しますが、紆余曲折を得て我々四体のドラゴンに分かれてしまったのです。その為、我々には名前など無く、総称として四精龍と名乗っていました。そんな我々の為に幼かった冬夜が先ほどの名前を与えてくださったのですよ』
「名前が無いと不便だったからね」
そう言う事があったのか。
元は一体のドラゴンがなんだってそんな事になったんだろうな?
「ほう、前々から気にはなっていたが、面白い神器だなぁ」
「アザゼル?」
いつの間にか、アザゼルが部屋の中にいた。
相変わらず神出鬼没な先生だ。
「お前、ちょっと『神の子を見張る者』の施設に来ねえか?お前の神器をちょっと調べたい」
「個人的に興味ありますけど遠慮します」
アザゼルの提案を兄貴はやんわりと断る。
「ちぇ、連れねえな」
「今はせっかくの兄弟水入らずの時間を過ごしたいですからね」
「そうかい」
「……でも、別の頼みの方なら聞く余
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ