第6章
体育館裏のホーリー
第111話 四精龍
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む。まあ確かに、毎回千秋より先にアガっちゃいるが。
「さて、次は何しようか?それとも、またババ抜き?」
「なーんか悔しいけど……」
「……俺はもう良い」
「……私も」
正直、悔しいけどな。
『明日夏明日夏』
ドレイク?なんの用だ?
急にドレイクが話し掛けてきた。
『ちょいっと変わってくれ。俺も勝負してぇ』
「兄貴とか?」
『おうよ。あの時の借りを返してえしな』
あの時って言うと、お前が俺の体を奪おうとして兄貴に妨害された時の事だろうな。
断ると煩そうだし、それぐらいなら別に良いか。
「まあ、別に良いが、兄貴はどうする?」
「僕も良いよ。それにしても……」
兄貴が興味深そうに俺の事をジロジロと見てくる。
「……なんだよ?」
「いや、明日夏とドレイクがずいぶんと仲良くなったなぁって思ってね」
まあ、色々あって最初の頃程の警戒心は抱かなくはなったな。
けど、仲が良いかと訊かれれば、微妙なところだな。
敢えて言うなら…。
『ちょっとした腐れ縁の仲か?』
ドレイクがそう言い、俺もそんな感じがしてきた。
「まあ、良っか。弟と仲良くしてくれるのならそれで良いし。でも…」
兄貴は俺、正確には俺の中のドレイクに鋭くした視線を向ける。
「また明日夏に変なちょっかいを出そうとしたら、容赦しないからね」
明らかに敵意を出していると言うのに、表情も目も笑っていた。
その姿から『三狩王』の一角、『魔弾の竜撃手』と呼ばれるだけの貫禄、と言うより不気味さが感じられた。
『へいへい、肝に銘じておきますとも』
ドレイクはいつも通りの口調だが、僅かながらの戦慄も感じられた。
こいつは腐っても上位のドラゴン。そんなこいつを戦慄させるとか、レイドゥンとは違った恐ろしさが感じられるな。
「さて、じゃあ早速何で勝負しようか?」
兄貴は一変して普段の雰囲気に戻る。
俺とドレイクは人格を入れ替え、体の所有権をドレイクに渡す。
「んじゃ、ポーカーで勝負だ」
ドレイクはババ抜きをしたカードを回収しながら俺の声で言う。
「うん、良いよ」
兄貴は特に異存は無い様だ。
ドレイクは鮮やかなカード捌きでカードをシャッフルした後、交互に自分と兄貴に一枚ずつ五枚のカードを配り、残った山札を自分と兄貴の中央の位置に置く。
「で、どっちから先に交換する」
「じゃ、お先にどうぞ」
「んじゃ、遠慮無く」
ドレイクの手札はカードのスートも数字もバラバラで全く役ができてないノーペアの状態だった。
ドレイクは手札から四枚のカードを捨て、山札に
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