第6章
体育館裏のホーリー
第111話 四精龍
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「それにしても、イッセー君達がテレビ取材とはね」
「部長が言うには、若手悪魔の特集に出演するみたいだ」
休日である今日、イッセー達グレモリー眷属は冥界のテレビ番組からのオファーが入り、その出演の為に冥界に赴いていた。
「元々魔王の妹と言う事で有名なところにコカビエルや『渦の団』との戦い、先日のロキとの戦いで更に有名になったみたいだ」
「神様と戦って生き残ったって事実は確かに知名度を上げるなぁ」
「冥界の番組なのが残念だなぁ」
「この家のテレビなら観れるんじゃない?」
「ああ、この家って悪魔の力が働いてできたものだからな」
冥界の番組だから人間界のテレビでは見られないが、この家のテレビならたぶん見られるだろう。
「ギャー君大丈夫かな?」
「あ〜、引き篭りのあいつにはキツいなぁ」
「夏休みでの冥界合宿で多少は改善されてるからなんとかなるんじゃねえのか」
「ふーん…うっ……」
姉貴が表情を引き攣らせる。
さて、俺達兄弟が今何をしているかと言うと、兵藤家の千秋の部屋でババ抜きしていた。で、たった今、俺の手札から姉貴がババを引いたのである。
イッセー達が冥界に行ってオカ研の活動も無く、暇を持て余していたところを兄貴が久しぶりに兄妹水入らずで遊ぼうと言う事になった。で、それが今やってるババきである。
ちなみに他の住人だが、鶇は燕を抱き枕にして昼寝している。燕も鶇の眠気に当てられたのか一緒に寝ている。
神楽は姉の神音さんと町を廻っている。
イリナとユウはライニーと教会関連の用事で出掛けている。
「ほい。はい、千秋」
「…………」
千秋は無言で兄貴の最後の一枚を引く。
「アガリ♪」
その瞬間、兄貴の一番抜けが確定した。
「……まーた冬夜が一番かよ……」
今回で三回目だが、姉貴の言う通り、兄貴は三回連続で一番にアガっていた。
兄貴はどうにもカードゲームの類いが得意なのかやたらと強い。
……実を言うと、この三回目、兄貴を下そうと千秋と姉貴で手を組んでやってた。さっき姉貴がババを引いたのもわざとで、顔を引き攣らせたのも演技だ。敢えてババを持つ事で次の番である兄貴にプレッシャーを与えようって魂胆だったが、兄貴は特に気にする事無く、姉貴からババ以外のカードを正確に引いていき、結局一番にアガられてしまった。
その後、兄貴がアガった事で組む理由が無くなったので普通にやり、俺が二番目にアガった。
「うぅぅ」
「ほい」
「あっ」
「アーガリィ♪」
千秋が持つババを含めた二枚から当たりを引き当てた姉貴がアガリ、千秋がビリとなった。
「フ、姉に勝る妹などいないのだよ」
内心で「弟はいるんだな」と姉貴の言葉にツッコ
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