暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第236話 少女たちに誘われて
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行われたと言う話は聞くし、実際に見た事があるから判るのだ。

「ん――ウンディーネ領、三日月湾の丁度上空……か」

 リュウキは、丸く抉ったような海岸線と、その沖に浮かぶ真円形の島から判断し、呟いていた。その言葉の通りであり、アスナ自身も、自分が選んでいた種族だから、と言う理由もあり、ウンディーネ領土で浮遊城アインクラッドが飛行しているのを理解していた。

「だね……、もう ここまで 移動してたんだ」 

 レイナは、広大に広がる世界樹の梢に目線を配らせた後に、あの特徴的な島を見て、移動距離を頭に思い浮かべていた。
 アインクラッドの移動速度に少なからず驚いていた様だ。

 だが、色々と考える暇は無い様で、合流して、ユウキが皆の先頭になり 今度はいきなり90度ターンして、垂直上昇を開始した。それに続く様にランが飛び、リュウキ、アスナ、レイナもついていく。

 このまま、どんどん上昇を続ければ、遂にアインクラッドの紅玉宮まで一気に攻略――なーんて事は当然ながら出来はしない。そんな図々しい事をしない、と言う事もあるが、システム的に、未踏破層の外周部は不可侵領域になっているのだ。

「(まさか、知らない訳無いよね?)」

 先頭を飛び続ける2人を見て、やや心配になってきたアスナは 一言確認をしようとしたのだが、もう少しで口から出かけたその時、再び進行方向が90度変わった。どうやら、目的地はアインクラッドの27層の様だ。

「あ……(27層……、確か攻略の最前線……だった筈)」

 目的地がはっきりと判り、レイナは自分の記憶を辿って、結論に達していた。
 まだ、27層のBOSSは攻略出来ておらず、大型ギルドもそれなりに手古摺っている様で、突破は厳しいとの事だった。
 SAO時代と違い、攻略に精を出していないから、以前ほど、最前線の状況把握は、アスナもレイナもしていなかった。主に仲間達と楽しむ事を第一に優先させていたから、と言う理由だってある。

 勿論――22層に還る事が出来たから、改めてそこでの思い出を沢山作っていたから、と言う理由も大きかった。

 何より、最前線(・・・)と言う言葉は あまり好ましくない。
 楽しい思い出もある事はあるのだが……辛く悲しい事も同じくらいあったから。

 アスナとレイナは、以前の事を思い出しかけて……直ぐに首を振った。
 もう、あの世界(SAO)この世界(ALO)は違うんだ、と自分に言い聞かせる様に。



 そして、色々と考えを過ぎらせてはいたが、(主にアスナとレイナ)何はともあれ、4人は27層の開口部へと突入したのだった。






〜新生アインクラッド 27層〜




 ここは別名《常闇の国》と称されている27層。
 
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