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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第236話 少女たちに誘われて
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「……とりあえず、行ってこいよ。2人とも。……あ、リュウキについては、後でみっちり訊く事があるからって、その辺も伝えといてくれ」
「…………」
そして、黒衣のスプリガン キリトはどうやらこの展開をある程度は予測していた様だ。だけど、穏やか、悔しさ、好奇心、それらが均等に表情に様子が出ている。その原因は明らかにリュウキである、と言う事は最早一目瞭然だ。
そして キリトの隣で、意味深な表情をして、じっと見つめているのは、シノン。
色んな意味で、一緒についていきたかった彼女だったのだが……、何か訳があると言うい事は察したため、一先ず身を引いたのだ。当然、後で追及をしてみよう。と決めて。
色々な表情が並んで、ある意味元気づけられたのは アスナもレイナも同じだ。
ユウキの進む速度が速くて、一瞬の笑みしか返せなかったが、大きく返事をする。
「え、えっと……、あ、あとで連絡するーー!」
「ま、待っててねーー! 絶対するからーー!」
皆に向けてそう叫んだ直後だった。
先頭に立つユウキが、両の翅を震わせた。翅は、
闇妖精族
(
インプ
)
を象徴する輝き……紫色の輝きを放つ。ついさっき引かれた速度でさえ、びっくりしたのだが 更に上がるのか? と思ってしまえば 強張るのも仕様が無いだろう。
そして、1秒の立たない内に、ユウキは猛ダッシュに入った。
アスナもレイナも手を引かれつつも、懸命に背中の翅を震わせて、追いかける。
先行く2人を追いかけて、もう 姿形が小さくなっている2人に追いつく為にも。
―――それは、本当に突然の出会いだった。
噂を聞いて、気になって来てみて……戦ってみて……そして、今一緒に空を飛んでいる。
アスナとレイナの2人は現実世界の葛藤をまだ胸の奥で渦巻いていたのだが、今日の衝撃的な出来事のおかげで、考えずに済んでいる。いや、考えたりする余裕自体が全くないのかもしれなかった。
―――何かが始まる。そう、2人も思えたから。
軈て、3人は前を行く2人に追いつき、並列飛行に入った。
24層に広がる湖の上空を一直線に南下し続け、アインクラッド外周の開口部から、一切の躊躇する事なく、外の虚空へと飛び出す。
「わっ!」
「わぷっ!!」
突入したと同時に、濃密な雲の塊がアスナとレイナの顔を叩いたのだ。
白一色の空間を更に数秒突き進むと、不意に雲が切れ、セルリアンブルーの空が無限に広がっていた。ランやユウキ、そして リュウキは 濃密な雲の中であってもなんのそのである。ランやユウキの事は知らないが、リュウキ自身は、リーファ達と 飛行レースを何度もしているから、もう慣れっこなのだろう。アインクラッド近辺でも
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