暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第236話 少女たちに誘われて
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 ランが翅を広げて、空へと誘おうとしているのだ。

「すみません。少し――少しだけ、付き合っていただけませんか」

 ランの言葉。
 それは、何処か真に迫る気がした。リュウキ自身も、何か(・・)を感じられたのだ。

 何処か遠くで、微かに聞こえてた気がした小さな鐘の音。何かが始まる鐘の音が聞こえた気がしたのだ。

 猜疑心や不信感よりも 遥かに好奇心が勝ったリュウキは、断る事無く『構わない』と頷くと、そのまま宙へ。

「あっ、ねぇちゃんっ!」

 空へと飛ぶランを見て、慌てて呼ぶユウキ。ランは、ユウキの方を見て、ニコリと頷くと。

「ユウも早く」

 一言そう伝えた。
 ユウキは、まだまだ話をしていたかったから、う〜ん……と少しばかり唸っていたが、とりあえず ランに置いて行かれる訳にはいかない事と後で話は出来る、と判断して。

「お姉さん達! ごめんなさいっ 今、時間あるかな?? ちょっと付き合って貰えないかな??」

 ちょっぴり慌てながら、そして 上目遣いでおねだりするかの様な素顔は本当に愛らしい。突然に驚いているのは、アスナもレイナも同じだったのだが、当初の戦いの後にランが『説明を』と言っていた事を思い出し、何か訳がある、と言う事も察していた為、リュウキ同様に断る事無く 頷いた。

 すると……、リュウキの時と同じく、ユウキはアスナとレイナの手を左右其々で掴むとそのまま宙へ。

 ユウキは、ランとはちょっと違い……、引く力に遠慮があまり見受けられない。ランに置いて行かれないように慌てていた、と言う理由もあるかもしれないが、元々勢いのままに、と言う素直な性格だから、と言う理由なのかもしれない。
 勢いよくまるでロケットの様な勢いで急上昇をしていったのだ。

 
 凄まじい戦いが2戦も続き、場も色んな意味でお腹いっぱいになっていた様子だったのだが、流石にこれは想定外。

 特に一緒に連れていかれた? 3人を知る者達の困惑は2倍増しだ。

「ちょ、ちょっと どこいくのよアスナ! レイ! ……って、そだ! リュウキもどっか連れてかれちゃったんだった! 3人とも、どこいくのよー」

 甲高い声が場に響く。
 その声の主は、驚き半分呆れ半分と言った様子のリズだ。最初、リュウキとランが空高くへと向かっていったのは、あまりに突然だった為(OSSや勝敗)反応しきれなかった様だが、流石に続けざまになれば、話は別だ。

「……連れてかれちゃいましたね……?」
「あははは………」

 感覚はリズ同様。
 半ば呆然としているのが、シリカとリーファ。

 リュウキが帰ってきたから、色々と問いただしたい事が多かった為に、色々と項目を脳内でアップしている所の不意打ちだったから、笑うしかない。
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