暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第236話 少女たちに誘われて
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響く。



『本当に楽しそうな目をしてるんです――』

 そして、言葉は更に紡ぐ。

『真剣な表情から一変して――、そこから出てくる笑顔。それが 本当に素敵なんですよ♪ 見惚れてしまいますっ♪』

 笑顔でそう話してくれる。内容はちょっぴり赤くなってしまいそうな事があったりするのだが、正直愚痴を訊いて貰ってばかりだから、惚気の話の類でも訊いてあげなければ 罰が当たると言う物だ。

『素敵――と言うより、可愛らしい。と言えるかもしれません。凛とした表情なのに、何処か、可愛いんですっ。無邪気って感じでっ! ……んん〜〜、もうちょっとで思い出せそうなんだけどなぁー。やっぱり、直に見てみたい、かな? ふふ♪』

 感情や、その素顔を思い出せると言うのに、肝心な所が思い出せない。本当にもどかしさを感じているだろうと、聞き手でも強く思えるのだが、それでも 彼女(サニー)の笑顔が崩れる事はやっぱり無かった。


―――本当に、あらゆる符合が一致し過ぎている。


 それは、彼女から話を聞いただけで、写真を見せてもらったり、映像を見た訳でもない。ただ 印象を得ただけに過ぎないのだが、ランは強く感じていた。
 でも、全てが偶然。ただの偶然で、自分が思い起こしてしまっただけなのかもしれない。だけど、それを言えば、《笑顔》と言う意味だけであれば、今までも 沢山の笑顔は見てきたつもりだった。

 この、空の上を……空高くに妖精達が舞う美しい世界《アルヴヘイム・オンライン(ALO)》。

 数多くの世界を見て、旅をしてきたけれど……、その中でも随一の世界だと胸を張って言える。

 一緒に旅をして回った皆、心から思えた素敵な世界。
 だからこそ、沢山の笑顔にも巡り合えた。本当に皆笑顔だった。……だけど、こんな感覚は やっぱり初めてだったんだ。


 様々な思考が頭の中を巡らせている間。ランは 気付く事が出来てなかった様だ。


 今の自分が、目の前の彼を、彼の顔をガン見? している事に。にこやかに ユウキやアスナと話をしていたレイナは 気付かなかった様だが、丁度円状に展開している観客席の対局側に居座るヤマネコ―――シノンは気付いた様だ。
 この世界よりも遥かに殺伐としていて、一瞬の判断ミスが即命取りとなる銃の世界(GGO)で培われた鋭利な感覚は、この世界ででも健在らしい。
 気付いたからこそ、並々ならぬ視線を送っていたのだろう。云わば、殺気(・・)に近しい性質をはらんでいる様子だったのだが……、真の悪意とは程遠い。

 殺気は殺気でも、嫉妬(・・)の類が9割以上を占めている様で、それとなく視線に気づいたリュウキだったが、問題なし、と判断し 眼前にいる自分の事を見ている剣聖と謳われる凄腕猫剣士、ランを
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