暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第236話 少女たちに誘われて
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は兎も角 一先ず宙に浮いていた為、翅を畳み 地上へと2人は降りた。

「……何であれ、こういった決着の付け方は、手を抜いた、と取られても仕様がない……かな。オレ自身は、そのつもりは全く無いんだが、それはオレ個人のエゴだ。……悪い」

 リュウキは、地上に降りて 改めてランに謝っていた。
 先ほどのユウキとアスナの話、少しではあるが、聞こえてきた。目の前の彼は、決して 見下したり 嘲笑ったりする様な事は無いと言う事。――と言うより、ラン自身 そんな事ちっとも考えてないし、思っても無い。

「いえ」

 だから、笑顔で答えた。

「とても清々しい気分ですよ。――――本当に気持ちいいくらいの完敗でした。とってもお強くて、まだ 胸がドキドキしてます」

 そっと、自身の胸に手を充てて、ランはお辞儀をした。
 アスナとレイナと戦う前の戦いで ユウキとランが丁寧にお辞儀をした要領で。今回は芝居がかかった様な感じではなく、心からの所作だと言える。

「私も、まだまだ未熟、と言う事ですね。何度も戦ってきて、沢山勝ってきましたが、天狗になるには早すぎます。とても 勉強になりました」

 ランのやや大袈裟ともとれるセリフを訊いて、一瞬だけきょとんとしたリュウキだったが、即座に返答を返した。目の前の彼女が未熟だ、と言うのなら この世界の大多数の剣士たち、全員が未熟者め! と言われかねないだろう。
 そう 思ったからこそ、自分の事を過大評価しないリュウキは、直ぐに返答をした。

「いや……。そこまで謙遜をしなくても良いと思うよ。――それに」

 直ぐに首を横に振った。
 そして ゆっくりと、空を見上げて――先ほどの戦いを思い返した。

 戦いの最中は、一秒が何時間にも感じる程の時の圧縮、矛盾を感じていた。あれ程の昂りと高揚感は 一体何時以来だと言えるだろうか。一撃一撃が強力であり、一瞬も気の抜けない神経戦。……何よりも、同属性(・・・)と言える業、技能を持っている相手には この世界ででは、初めて出会ったのだから、尚更だ。

 世の中には、『同族嫌悪』と言う言葉があるが――、今のリュウキには、まるで意味が分からない。いや、そう思う理由が判らない。


 ただ、喜びに似たものしか感じられなかった。それは――あの世界(・・・・)ででも、出会った事が無かったから。



「本当に楽しかった。それに勝負は僅差だ。……本当に、どうなるか最後の最後まで、判らなかった。オレが勝ちを拾ったのは、必然ではない。……正直、ここまで熱くなったのは、本当に、―――本当に、久しぶり。とても、楽しかった」



 リュウキは、にこり――と笑顔を見せた。



 その笑顔を見て、その目の奥の輝きを見て――ランの心には再び声が
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