第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#13
REDMAGICIAN’S QUESTIONS
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疚《やま》しい気持ちなど欠片もある筈がなく、
「アノ場」 は “ああする” しか手がなかったのだが、
そんな理屈はいま燃え盛る炎の魔神、“天壌の劫火” の頭 (?) の裡からは
紅世辺境のそのまた遙かまで吹き飛んでいた。
アラストールの放った壮絶な呪いを受けて、
今2階の自室でリリックとグルーヴのたゆたうエコーの中、
現世と夢の狭間で微睡んでいる無頼の貴公子が呻いた……
かどうかは定かではない。
「う〜む。どんな意味があるか……か? 簡単なようで難しいのう」
ジョセフは心底困ったという表情でシャナを見る。
そんなジョセフをシャナはその凛々しい瞳で真剣に見つめる。
(くれぐれも良識的な回答を頼むぞ! 我が盟友
『隠者の紫』 ジョセフ・ジョースター!)
アラストールの強烈な信頼を背負って、ジョセフは静かに口を開いた。
「考えた……という事は……ソレが “どういうものなのか”
知ってはいるのじゃな……?」
何故か頭に若き頃、親友と共に挑んだ『地 獄 昇 柱』
の試練を思い浮かべながら、ジョセフはおそるおそる話を切り出す。
その顔は冷や汗でいっぱいだ。
そして胸の裡では、
“こんな時 『アイツ』 がいれば代わってもらうのになぁ〜 ”
等と情けないコトも考えていた。
「うん。前に本で読んだ事あるからどんな対人作法かはしってる。
その……見た事も、ある」
即座に昨日の「光景」が脳裏に浮かび、胸がズキンッと痛む。
すぐさまに目を瞑って頭を振り、その光景を振り払った。
「ならば小説とかに、似たような場面が出ておらんかったか?」
「個人の主観が入っているものは、適格な分析と思索の役に立たない、って
アラストールが言ってたから、重要文献を丸暗記しただけ。
考察の対象にはしたことない」
読んだ事があるのなら「それをもう一回読み直してみなさい」と言って話を
切り上げるつもりだったジョセフの目論見はものの見事に外れた。
(やれやれ、我が盟友らしい石頭な教育法じゃのう)
とジョセフは頭の中で苦笑混じりに呟く。
「では映画とかで見たことは?」
「映画は見たことない」
「そうですか……」
にべもなく即答するシャナに、ジョセフは口を開けたまま苦笑する。
そしてそのまま、少女の胸元で静謐に光るアラストールへと視線を送った。
(むう?)
アラストールは、ジョセフのその視線に気づいた。
いま、己の全てを託した、信頼の「絆」で結ばれた掛け替えのない盟友は、
いま、露骨に苦々しい顔で自分をみている。
その顔にはっきりと 「おとうさんそれはマズイよ」 と書いてあった。
そのコトに対し何故かアラストールは激し
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