第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#13
REDMAGICIAN’S QUESTIONS
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て俯いた。
ジョセフはその様子を頬ずりしたい程可愛いと思いながら、
上機嫌でグラスを口に運ぶ。
“その暑苦しい髭面ですり寄られる方の身にもなりやがれ、クソジジイ”
という承太郎の声が以下略。
「ねぇ? ジョセフ」
顔を赤くしたまま、シャナはおもむろに切り出した。
「なんじゃ?」
ジョセフは左手で頭を撫でながら、右手でグラスを口元に運び視線を向ける。
「一つ、訊きたいことがあるの。昨日自分なりに考えてはみたけれど、答えは出なかった」
「ほう? 君でも解らない事か。果たしてこのワシに答えられるかのぉ〜」
出会って以来、シャナの見かけに似合わない知識の豊富さには驚かされっぱなしなので、
ジョセフは少々自嘲気味に顎髭を摩った。
その少女の口から、かつて偉大なる “風の戦士” との壮絶なる「戦車戦」をも制した、
歴戦の波紋使いの鋭敏な頭脳にも全く予想だにしえない爆弾が
急転直下で投下される。
「キスって、どんな意味があるの?」
「!!」
(な!?)
ジョセフが音を立てて霧状になったジュースを前方へ噴き出すとほぼ同時に、
制服の胸元に下げられたアラストールはその強力な自制心を発揮して
なんとか発声を押し止めた。
(なななななななななななななななな)
以降は大いに乱心していたが。
ジュースが気管に入ったのか噎せながらジョセフは、
波紋の呼吸法を利用して息を整える。
「これは、また、随分唐突な問いじゃのう」
口元を手で拭い、何度か咳き込みながらジョセフは言った。
最初は、孫の承太郎が何か妙な事を少女に吹き込んだのではないかという
懸念が浮かんだが、それは孫の性格上天地がひっくり返ってもありえないので
考えからは除外される。
まぁ、その懸念は当たらずとも遠からずといった処だったが。
「あ、ほら、ホリィが何かあるとすぐに承太郎にしてるでしょ?
昨日寝る前にもしてたし、どんな意味があるのかなって」
隣に腰掛けていたホリィが私? といった表情で自分を指差す。
実は、その本当の 「理由」 は別にあったのだが、ソレは口に出したくはなかった。
昨日承太郎が、自分を慰めてくれたのは嬉しかった。
承太郎と一緒に、花京院を助ける為に共闘したのは楽しかった。
だから余計に “アノ場面” が脳裏に強く焼き付いて離れない。
胸の痛みは、時が達つ事に強くなっている。
その所為で、昨日はあまりよく寝られなかった。
その一部始終を少女の傍で見守っていたアラストールは、
心の中で激しく毒づく。
(むうううう、おのれ 『星の白金』 空条 承太郎。全く余計な真似をしてくれおって)
無論、何処ぞの軟弱者と違って承太郎に|
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