第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#13
REDMAGICIAN’S QUESTIONS
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言に対しDIOはすげなく告げた。
「だめだ」
「DIO様……」
微かに落胆した声で、ヴァニラ・アイスは応える。
「お前の他に、私の「護衛」が務まる者がいるのか?
お前のスタンドは、我が 『世 界』 を除けば最強のスタンドだ。
そしてソレを操るお前は最強の 『スタンド使い』
戦闘技術や思考は元よりその強靱な精神力がな」
「……」
そのDIOの言葉を、ヴァニラ・アイスは感慨至った表情で、
瞳を閉じ厳粛に受け止める。
「有り難き。そして勿体なき御言葉。
しかし、このままジョースター共を捨て置くわけには……
空条 承太郎、放っておけばいずれ恐るべき 『スタンド使い』 に
成長する可能性が御座います」
「フッ……それはそれでまた、見てみたいという気持ちもあるがな」
王者の余裕を崩さずにDIOは言う。
「しかしDIO様、あの『スタンド使い狩り』
『紅 の 魔 術 師』が空条 承太郎と接触したという情報も入っております。
もし奴らが 「共闘」 を組むような事態に陥れば、少々面倒な事になると思いますが」
自分の冗談に気づかず生真面目に応じる部下に対し、
DIOは微笑を浮かべた。
「アイス? お前は忠誠心に厚いが、堅物過ぎる所が玉に疵だ」
心蕩かすような、甘く危険な声でDIOは言った。
「申し訳御座いません」
その誘惑を、ヴァニラ・アイスは強靭な精神力で抑えつけ表情を一切崩さずに応じる。
「いい。あとソレについては無用の心配だ。すでに手は打ってある」
そう言ってDIOは本から手を放し、顔の前で細い指先をすっと立てた。
「『スタンド使い』 では無理だったのなら、“そうでない者” を使う。
「ヤツ」の王足る力、存分に示してもらおう。
その真名 “狩人” と共にな……」
「まさか、あの者の「願い」をお聞き入れに?」
驚きの表情と共に、心中で生まれた嫉みの情を何とか押さえつけ
ヴァニラ・アイスは平静を装った。
「『スタンド使い狩り』 と “フレイムヘイズ狩り”
狩人対狩人。
なかなか面白そうな 「戦い」 になりそうだとは想わないか?
ヴァニラ・アイス?」
DIOのその口元に再び悪魔の微笑が浮かんだ。
他者の運命を、己の掌中で意のままに操り
ソレを高見から見て愉しむ、
王者にのみ赦された、至高の悦楽。
「はっ……あの者なら、必ずやDIO様の御期待に添える事でありましょう……」
表面上は主の意を厳粛に受け止める忠臣、
しかしその精神の裡側では、凶暴に狂い盛るドス黒い嫉妬の塊が
マグマのように蜷局を巻いていた。
(少々目を掛けられているからといって、良い気になるなよ?
“フリアグ
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