第6話
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づいてきた。
「おお、遅かったやないか。……って、なんやその紙袋は?」
「そこの屋台で売ってたアルタイル名物の焼き栗。ホクホクしてて絶妙な甘さでいい仕事してる。」
「だからって紙袋いっぱい買うことないやろ……まったく、そんな調子でこれから大丈夫か?やっぱりオレも付いて…………」
シスターの言葉を聞いたケビンはシスターが持つ紙袋の中に入ってあるたくさんの焼き栗を見て呆れた後真剣な表情で言いかけたが
「……だめ。ケビンの悪名は知られ過ぎている。エラルダ大司教に潜入がバレたら火あぶりにされるかもしれない。」
シスターは溜息を吐いた後ジト目でケビンを見つめて言った。
「い、いくらなんでもそこまではされへやろ!?いや、でも典礼省のオーウェンの件があったか…………あの一件で封聖省への態度をますます硬化させたみたいやし。」
(オーウェン……あの”煉獄”の時に現れた…………)
シスターの言葉を聞いたケビンは慌てた後ある事を思い出して複雑そうな表情になり、リタは静かな表情でケビンを見つめていた。
「その点、私一人なら目くらましにはもってこい。それはケビンもわかっているでしょう?」
「ああもう……わかったわ!まったく総長もよりによって何でコイツを……」
「的確な人選。ケビンこそ、私がいない間、無茶はしないように。セサルさんとマーカスさんにあまり心配はかけないこと。」
「へーへー、わかったわ。……しかしリース。ホンマ、気をつけろや?お前がこれから向かう場所は正直、何が起きてもおかしくない。いざとなったらオレを呼ぶなり、切り札に頼るんやで?……それとセリカさん。頼みたいというのはリースの事なんです。しばらくリースはクロスベルに滞在しますんで、リースがヤバくなった時助けてくれないでしょうか?」
「そのぐらいなら別に構わないが…………」
「ありがとうございます。……ということやからオレや切り札にすぐ頼れない時はセリカさん達に頼るんやで?」
セリカの返事を聞いたケビンは頷いた後真剣な表情でシスター――――リースを見つめ
「それは心得ているけど……そんなに悪い状況?再会したばかりのセリカさん達にまで頼むなんて…………」
見つめられたリースはセリカ達に一瞬視線を向けた後すぐにケビンに視線を向けて真剣な表情で尋ね
「ああ………聖俗双方の意味合いでな。どうやら”連中”も密かに動き出しとるらしい。魔都クロスベル――――その名の通りになるかもしれん。」
尋ねられたケビンは重々しい様子を纏って呟いた……………………
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