第4話
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命じる。
兵士達は頷くと、人混みの中に消えていった。
「ここに来た数名の賊の1人を旅人が討ってしまい、明日の朝、その賊の集団がやってくると」
兵士達の報告を聞き、久遠は考え込む。
暢介は視線を兵士達に向ける。
若干、疲れた表情を見せているのは人混みの波にもまれてしまったからだろうか。
それとも、マシンガンの如く話す人物に当たってしまったのだろうか。
「明日には賊が来る事が分かってるんだよな久遠」
「そうだね」
「俺達でどうにか出来るなら」
「助けないとね……まずはここの領主に会わないとだけど」
そこまで久遠が言うと、兵士の1人が慌てて口をはさむ。
「それが、既に領主はここから逃げているそうで。現在、ここを取り仕切っているのはこの街に長く住んでいる長老格の老人の様です」
「……だってさ久遠」
「その老人の元へ行きましょう……あぁ、あなた達は他の兵士達に事情を説明してください。明日、戦闘になると」
「はっ!」
兵士達が駆けだしていくのを見送り、暢介と久遠は老人に会う為に歩を進めた。
住民に老人の場所を聞くと、住民は『あの人ですよ』といい指を指す。
そこには小柄で腰の曲がった老人が他の住民達と話こんでいた。
ふと、その老人の横に居る女性に目が行った。
身長は久遠と同じぐらいか、少し小さいぐらい。
髪の色は黒でショートカット。
久遠に負けず劣らずのスタイルをしているが、暢介の視線はそこではなく。
女性の被っている帽子に目が行っている。
(あれって……あれだよな……)
暢介の脳裏に浮かんだ人物は2人。
彼女の被っている帽子と全く同じ色で、冒険好きで蛇が苦手な考古学者に。
その色を黒にすると、赤や緑、時にはピンクのジャケットを羽織る怪盗の相棒になる。
(……あれと同じ帽子、親父も持ってたっけな)
そんな事を考えている暢介の肩を久遠が叩く。
叩かれた事に気付いた暢介が久遠の方を見ると、ジト目で暢介を見ている。
「何を見てるの?」
何を見ていたのか久遠には見当はついていたがあえて聞いた。
「いや……ちょっと珍しい帽子だなって、あの子の」
「珍しい? まぁ、僕もあんまりみない帽子だけど……ってそういう事じゃ無くて、行くよ」
そう言って久遠は老人の方へ進む。
「ちょ、ちょっと待てって久遠」
暢介は慌てて後を追った。
「あの……」
久遠が話しかけると、話し込んでいた町の人達の視線が一斉に2人に集まる。
「あなた方は……見ない顔ですな」
「はい。僕達は先ほどこ
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