第4話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
どこかに仕えるにしても、義勇軍で実績を作っておけば相手にしてもらえるかもしれない。
上手くいけば、どっかの領主ぐらいに……というのはかなり幸運でないと無理だろう。
『そうでもないんですよ。賊の大量発生で領主が逃げ出している城とか結構あるらしいですから。落ちてる城を貰っても文句は無いでしょ』
そう久遠は言っていたけれども。
目つきはマジだった。
義勇軍を結成し最初におこなったのは人数を絞る事だった。
義勇軍に入る人達の目的は様々であり、純粋に誰かを守りたいと思う人もいれば。
義勇軍に入れば何かおいしい思いが出来るんじゃないかというのもいる。
前者はどんな厳しい訓練を課しても耐え抜く事が出来る。
しかし、後者は厳しくすると逃げ出してしまう恐れがある。
そして、そんな2つの考えを持つ者を一緒の部隊にしてしまえば問題だって起こる。
『もっと厳しい訓練を』というのと『もっと楽な訓練を』というのだ。
戦場でも一緒にしては被害が大きくなる恐れがある。
その為に絞る事になったわけで。
訓練を久遠に任せた所……1週間もしないうちに人数が半分以下になっていた事に暢介は驚いたが。
「久遠、そろそろ日が暮れそうだ……今日はどうする?」
「どうしようかな。地図には近くに町があるみたいなんだけど……偽物って可能性もあるしなこの地図」
地図を見ながら久遠は呟く。
もっている地図は数日前に商人から購入したもので信憑性は不明だ。
一応、今のところは正解しているようだ。
「そっか……まぁ、野営でも一向に構わないけどもって、おい久遠」
「ん?」
「あれって町じゃないか?」
暢介の指さす方、そこには町の灯りが見えていた。
後ろに居る兵士達からも安堵の声が聞こえる。
流石にここ数日間は連日野営だったのが堪えていたのかもしれない。
しかしだ……
『兵士達全員宿屋は無理だから野営なんだけどな……』
と言っていいのか迷う暢介と久遠の2人だったのだけれど。
「だから! あの女に責任取らせればいいだろ!」
「何言ってんだ! もうあいつに何させても意味無いだろ! 金品とか出して……って俺の家もう何もねぇよ」
兵士達を外に待たせて暢介と久遠と数名の兵士を連れて街中に入ると。
人々の声があちらこちらから聞こえる。
「何が起きてるんだここ?」
「さ、さぁ?」
何が起こっているのか分からない2人と兵士達は互いの顔を見合わせる。
「このまま分からないままはまずいでしょう。何が起きているのか聞いて来て下さい」
久遠は兵士達にそう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ