第27話 二つの存在(前編)
[8/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れこそ、俺の心理を確認するかのように......
あぁ.....わかってるよ穂乃果
俺もさんざんみんなに言ってきたのに.....人の事言えないよな.....
絵里や真姫、花陽にあんなに言ったのに....
言った本人である俺が素直になれないなんてな.....
俺自身もめんどくさい人間だよ
俺は気持ちを落ち着けるべく、煎茶を口の中に流し込む
煎茶独特の香りが口いっぱいに広がる
「私も本当は笹倉くんに行って欲しくないのです」
理事長は目を瞑り、呟く
「共学化は笹倉くんが初めてここに訪れたとき言った通り、最後の策だったのです。精一杯考えた結果だったのです......」
「........俺がここに来て意味はあったのでしょうか......」
「ありましたよ.....μ'sにとっても音乃木坂にとっても.....」
「そう......ですか」
「ことりも嬉しそうでした」
ことりの名前が出た瞬間、理事長からことりの母へ雰囲気が変わった
「昔、穂乃果ちゃんと仲良くしてた男の子に会えて嬉しいって言ってました。帰ってからも笹倉くんの話ばかり。」
ことりがそんなことを......
家に帰っても俺の話をしていると聞いて、胸のあたりがこそばゆいな
「たまに穂乃果ちゃんや海未ちゃんも家に遊びに来るのだけど....やっぱりそこでも貴方の話ばかり。ふふっ.....モテモテね」
「いやいや...そんなことは....」
「それにね、男子がいることで女子生徒も変わってきているのですよ?」
「そうなんですか?」
「身だしなみが良くなりました。やっぱり男子の目があることは女子たちにも良い影響を与えているのですよ」
確かに男子の前で色気のある格好されちゃ、理性が持たないからな
俺としてはありがたいのだけど
「だから笹倉くんには感謝しているわ。本当にありがとう....」
再度理事長は頭を下げる
悔しいけど......離れるのは辛いけど.....音乃木坂の為に何かができたんだと思うとここを離れることに納得した
もともと試験生でもあったし.....
「こちらこそ、貴重な体験をさせていただきました。俺はもう....悔いはありません」
茶封筒を片手にすっと立ち上がる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ