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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第27話 二つの存在(前編)
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い」




「ありがとうございます」




理事長に促され、反対側のソファに静かに座り込む

そしてすぐに理事長からお茶を出され、「ありがとうございます」と言って一口いただく




俺の好きな煎茶だったのは言うまでもない




しばしの静寂後、ゆっくりと理事長は口を開く




「掲示板はご覧になりましたか?」




「.....はい。無事、廃校にならなくてよかったです」




理事長は俺の目を逸らすことなく見つめる




「改めて......笹倉くん。音乃木坂学院を守ってくれてありがとう」




深々と頭を下げるので少しばかり困惑してしまう




「...俺は何もしてないです。彼女たちの.....μ'sのおかげです。俺はただμ'sのサポートをしただけですよ」




謙遜しながらも正直なことを述べる




「もし俺だけだったら.....存続なんてできませんでしたよ。彼女たちがいてくれたからこそ、存続できたんだと思います.....俺の任務を彼女たちが全うしてくれたんです」




「そう......」




これから何の話をするのかわかるため、重い空気が二人の会話をつまらせる。




理事長はゆっくりと立ち上がり、自分の席の引き出しから1枚の茶封筒を寄越す。




なにも記されていないただの茶封筒

その中身はきっと........




「ここに呼ばれた理由はわかりますね?」




「.......承知のつもりでやってきました」







チッチッチッと時計の針の動く音だけが響く




「その封筒の中身をお母さんに渡してください....」




俺はただ封筒を握り締め、やるせない思いを誰かにぶつけたくて仕方がなかった




封筒を開けて、中に入っている3枚の紙を取り出す




1枚は母さんへの連絡

残りの2枚は転学手続書、及び学校案内の紙だった




「前の学校での貴方の立場は十分理解してたつもりです。ですので、今回は別の高校への手続きを準備しました」




案内された高校は前の高校より少しレベルの低い京都にある私立高校




中学受験の第二志望校がそこだったので問題ない....

でも今となっては行きたくない.....

この学校で高校生として過ごしたかった




ふと、何故か穂乃果の顔が浮かぶ

その表情は笑っているわけではく怒っているわけでもなく、ただ俺の事をじぃっと見つめていた


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