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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第83話
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ヨアヒムの意外な答えを聞いたロイドは呆けたが

「IBCビルでも言っただろう。――――キーア様を引き渡せばいくらでも手を引こうと。」

「ふ、ふざけるな………ッ!」

「まだそんな世迷言を………!」

「てめぇ……喧嘩売ってんのか?」

「………最低の犯罪者ですね。」

「うふふ、この戦力差でよくそんな事が言えるわね?」

醜悪な笑みを浮かべたヨアヒムの要求を聞くとエリィ達と共に怒りの表情でヨアヒムを睨みつけ、唯一人支援課の中で怒りの表情を浮かべていないレンは意味ありげな笑みを浮かべてヨアヒムを見つめ

(なにコイツ……教授並に性格が悪そうね。)

(ワイスマンはここまで狂気じみてはいなかったけど……)

(正直、どっちもどっちだと思うわ……)

その様子を見守っていたエステルとヨシュアの会話を聞いたルフィナは疲れた表情で答え

「なるほどな……さっき戦った秘書野郎を従えているだけあって、更に一回りイカれた奴やな。」

「まさに”狂信者”とは奴の事を指すのだろうな。」

ゼノとレオニダスは呆れた表情でヨアヒムを見つめていた。



「やれやれ………これでは話にならないな。そもそもキーア様は我等が教団の崇める御子――――それを返せというのがどうして理不尽なんだい?」

「自分達が6年前、どんな事をやったと思っている!そんな連中にキーアを引き渡せるわけがないだろうが!」

「それよりも……いい加減、キーアちゃんの素性を明らかにしなさい!ちゃんと身元は判っているのでしょう!?」

ヨアヒムに問いかけられたロイドは怒鳴り、エリィはヨアヒムにキーアの素性を明かすように命令した。

「クク………なるほど。―――君達はまだ、キーア様がこの時代の生まれだと思っているのか。」

「!?」

「こ、この時代……!?」

「「……………………………」」

ヨアヒムの口から出た予想外の答えを聞いたロイドは驚き、ティオは戸惑い、レンとルフィナは目を細めて考え込んでいた。



「フフ、いいだろう。”叡智”に至らぬ者に話すのは本来禁じられているが………君達には特別に教えてあげよう。」

ロイド達の様子を見たヨアヒムは口元に笑みを浮かべた後振り向いて球体の設備を見上げて説明した。

「つい一月前までキーア様は眠っておられた―――この祭壇の聖なる揺りかごでまどろむように………500年以上にも及ぶ、永き眠りに就かれていたのさ!」

「!!!」

「なっ………!?」

「………ま、まさか………!」

「てめえ……フカシてんじゃねえぞ!?」

「フフ、別にそんな驚くことも無いだろう?現代の技術では不可能でも古の技術ならばそれが可能―――………500年前、ア
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