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八神家の養父切嗣
六十話:例外
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だ。まるで本物の正義の味方のような登場の仕方に思わず頬を緩めながらはやては部下の無事を喜ぶ。

「ティアナ、首都の防衛の方はどうなったん?」
「ゆりかごの方が解決したと同時にガジェットが止まっていったのでほとんど片付いています」
「やからこっちにこれたんか」
「はい、他の隊長達もまだ戦える人達はこちらに向かっている途中です」

 大量のガジェットはゆりかごの制御下、つまりはクアットロの制御下にあったので彼女が死んだ今となっては動きが止められたのだ。そして後はゆりかご事集中砲撃で破壊すればいいだけだ。

「スバル、エリオとキャロはどうしたんや?」
「えっと、二人は今―――」

Sonic Move(ソニックムーブ)

 スバルが答えようとしたところで金色の閃光と真紅の稲妻が通り抜ける。二人は容赦なくスカリエッティに攻撃を仕掛けるが自身の体も改造しているのか人間ではありえない反応速度でバルディッシュとストラーダの攻撃を防いで見せる。

「くははははッ! プロジェクトFの残滓が揃って訪ねてくれるとは! これは行幸だ」
「やっぱりスカリエッティだ……死んだはずなのに」

 エリオとキャロに救援を頼まれて救援に来たフェイトがスカリエッティの姿に嫌悪感を露わにする。死んだはずであるのにも関わらず生きている。それは自身のクローンを利用しているからに間違いがない。しかし、それらは彼の娘達の胎内に植え付けられていたはずだ。最低でも一ケ月はなければ成人にまで育つことはない。そんなフェイトの疑問に気付いたのか楽しそうにスカリエッティは語りだす。

「その通り。以前の私は衛宮切嗣に殺された。だが、保険(・・)というものは重要でね。彼も知らぬ間にこうしてクローンの私を創っていたのだよ。そうだね、地上本部襲撃の際には既に私はこうして存在していた」

 作戦を完璧に進めるためにスカリエッティは何日も前に別の自分を創っていた。そのために一時期ではスカリエッティという人格がこの世に二人存在するという何とも奇妙な出来事も起きていたのだ。

「狂ってる……」
「そうでもないさ。君も、そしてエリオ・モンディアルの作成の際にも何人もの同一人物が生まれた。君達はそれらの命を踏み台にして今ここに立っているのだよ」

 フェイトと隣に立つエリオを蛇のような瞳で見つめながらスカリエッティは嗤う。相手はフォワード陣四名にフェイトとはやて。全員が疲労しているとはいえ6対1だ。さらに応援も来るかもしれない。考えるまでもなく不利な状況だ。だが、それでも彼は笑みを浮かべ続ける。この状況に余裕などなくとも、ただひたすらに―――面白いが故に。

「一応聞いとくけど、投降の意思は?」
「あるわけがないだろう。投降するのであればそれは君達の方だよ」
「…
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