第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#11
闇夜の血闘 紅の魔術師VS幽血の統世王V 〜World's End〜
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ナは素早く刺突の構えを執り、
足裏を爆散させてその影からDIOに向けて突貫した。
狙いは、正中線の最上部。
眉間。
いくら不死身の化け物で在っても、脳を破壊されて生きていられる道理はない。
しかし。
その次の刹那、シャナは視ていた。
眼前の変異を。
『フレイムヘイズ』 “炎髪灼眼の討ち手”として驚異的に研ぎ澄まされた少女の動体視力は、
その様子をディスクのスローモーションのように精密に捉えていた。
DIOの斬られた腕の切断面。
その中心、骨の部分がいきなり延び硬質な感覚を伴いながら一瞬で指先まで再生すると、
すぐにその周りに神経の束が絡みつきさらに血管と筋繊維とが後を追う。
その上を真新しい皮膚が覆うまで1秒も掛からなかった。
秒速で完全再生されたDIOの濡れた右腕が、
空気を切り裂いて前方に突貫するシャナに向けて突き出される。
(何か、来るッ!)
「無駄ァァァァァッッ!!」
邪悪な笑みを浮かべ突き出されたDIOの、
掌の中心がバックリと裂け口の開いたソコから超高圧力で噴出された真紅の血が
一気にシャナへと襲い掛かった。
「!!」
開いた疵痕がマズルフラッシュを放ち、反動でDIOの身体はマグナム弾でも
発射したかのように蠕動する。
直感によって咄嗟に身体を左に捻り、廻転動作により間一髪避けたシャナの脇を
紅い液体がレーザーのように通り過ぎ余波が黒衣を引き裂く。
その背後で爆音が轟いた。
「!?」
シャナの後ろにあった鉄筋コンクリート製のビルが、
一階部分から斜めに切断され、まるで積み木崩しのように上階部分が滑り落ちていた。
その俄には信じがたい事実に唖然となったシャナは、
このとき一つのミスを犯していた事に気づいていなかった。
闇夜の帝王、ヴァンパイアの超絶的な再生能力と攻撃能力とを
目の当たりにしては無理のない事だが、シャナはこれでDIOの攻撃が
終わったと思ってしまった。
相手が並の“紅世の徒”や『スタンド使い』であったのなら、
その判断は正しかったのかもしれない。
しかし現在目の前にいる相手は、紅世の王さえ下僕にする
この地上、否、 “史上” 最強の魔皇。
幽血の統世王。
“そんな事が有り得るはずはなかった”
DIOは両腕を交差してだらりと下げ前屈の構えを執ると、
その動作で舞い上がった美しい金色の髪がいきなり
爆発増殖するコンピューター・ウィルスのように伸び出した。
煌めきを放ち生き物のように空間を踊り廻るその髪が、
シャナの腕に、足に、胸に、腰に、首筋に、そして大刀へと絡みつき
空間に小さな躰を拘束する。
「な!?」
シャナが驚愕の声を上げる間もなくその髪から黄金に輝
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