第三十三話 ラ・ロシェール強襲
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。サイレンサーなんて洒落た物は持っていない。そこで隊員はクロスボウと取り出した。
無音武器のクロスボウなら気付かれずに殺る事ができる。隊員は散歩中の貴族を狙い、そして放った。
矢は首の裏、延髄に刺さり、呻き声一つ出さずに道端に倒れ、すかさず別の隊員が死体を茂みの中に隠した。
「よし、いいな。突入」
再び、『行け』もしくは『作戦開始』の意味を持つフクロウの鳴き真似をすると、コマンド隊員は一斉に『女神の杵』亭の1階、2階の両方に同時に突入した。
1階の酒場に突入したコマンド隊に対し、酒を飲んでいた護衛の貴族達は咄嗟に反応できなかった。
「なっ!?」
『何だお前ら!?』と言う事も出来ずに一人の貴族はトンプソン短機関銃で蜂の巣にされ息絶え、他の貴族全員も同じような末路をたどった。
「ひいい……」
カウンターの裏で震えていた店主。
「すまない店主。請求は王宮までよろしく頼む」
「は、はい」
2階でも始まったらしく、銃声と女の悲鳴が聞こえた。
2階でもコマンド隊が突入。
ロープの反動で窓ガラスを割って中に入り、ベッドで寝ていた貴族を拳銃やナイフで殺した。
全ては順調……と思いきやトラブルが起きた。
「副隊長、大変です!」
「どうした」
「2階にて多数の民間人が……」
「民間人? 宿帳には貴族と商人以外、他に名前が無かったぞ」
ちなみに商人たちは事前に退避させてある。
「どうも娼婦のようで、どうやら貴族の相手をしていた様です」
「娼婦か……このまま作戦領域内に居ても邪魔なだけだ、速やかに退去してもらおう」
副隊長が、隊長と感覚を共有させる使い魔のボーマンに言うと、ボーマンが『ゴエイ、オクル』と書いた。
娼婦を退去させるための護衛を送るらしい。
数分後、アニエスを含む4人のコマンド隊員が遣わされた。
……
「まったく、ひどったらありゃしないわ。内乱が起こって以来の久々の上客だったのに」
作戦領域外への道中、4人の娼婦の内の一人が隊員たちに向かって、延々と愚痴を漏らしていた。
「我々も、大変心苦しく思っております」
「だったら兵隊さん、私を買わない? 安くしとくわよ」
「勤務外でしたら嬉しかったのですが、残念ながら勤務中ですので遠慮しておきます」
「ケチ!」
幸い、口の回る隊員が居て娼婦の相手になってくれていた。
和気あいあいの一歩前の様な、和やかな雰囲気だった。
「なあ、あの姉ちゃんおかしくないか?」
同僚のヒューゴがアニエスに寄って、異変を伝えた。
「あの姉ちゃん……て、どの人ですか?」
「一番右っ側の姉ちゃんだよ。
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