第一章
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は夫の言葉に即座に答えた。そのことはもう言うまでもなかった。
本来ならばだ。こうしたことは妻としても大目に見なければならないことだった。何しろゲーリングはその日の出の勢いのナチス=ドイツのナンバーツーだからだ。しかしだ。
彼はこのことについては贈りものの時とは全く違いだ。素っ気無くこう言ったのである。
「私はゲッペルスとは違う」
「宣伝相とはですか」
「ゲッペルスは職権を濫用し女性にも手を出す」
彼の悪癖だった。しかしだというのだ。
「だが私はゲッペルスではない」
「だからですね」
「女性は御前一人でいいのだ」
妻を見てだ。そのうえでの言葉だった。
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