4.改心
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話を考えついたもんや、て思わへん? わいとマーユが深い仲で、愛し合っているところを、見てしまってーの、その光景が頭から離れなくてーの、強烈に記憶に残ってーの。何やの、それ」ケネスはあきれ顔で言った。
「半分事実だろ」
「どこが事実やねん」
「俺とマユの夢の中でお前マユとエッチしたじゃないか」
「そのケニーは無理矢理やったんやろ?」
「でも、あの光景が頭から離れないのは事実だぜ」
「早よ忘れてーな」ケネスは頭を掻いた。
「そうそう、」ケンジがマユミに身体を向けた。「メールの着信履歴、消去しといて正解だった」
「え? 何かあったの?」
「今日の最後のミーティングの時にさ、拓志と康男のやつが、俺のケータイこっそり覗いてやがったんだ」
「なんであの二人がおまえのケータイ盗み見すんねん」
「俺の付き合ってる彼女が誰なのか知りたがってたらしくて」
「間一髪やったな」
ケンジはケネスを横目で見た。「ただ、おまえからの空メールを不審がってたけどな」
「空メール」マユミが訊いた。
「うん。アヤカと話してる時にさ、ケニーがタイミング良く送ってくれたんだ。それでうまく話の流れを作れた」
「何で不審がっとったんやろな」
コーヒーを飲み干して、トレイにカップを戻しながらケンジは言った。「『ケンジの恋人ってのはもしかしてケニーなのか?』って疑ってたよ」
「『そうだ』とか何とか言うとったら良かったのに」ケネスが口角を上げた。
ケンジは慌てて言った。「バカ言うな。そっちの方が大ニュースに発展しちまうだろ!」
「じゃあ、まだとりあえずばれてないんだね」マユミがにこにこしながら言った。
「ケンジ、実はばらしたいんとちゃうか? みんなに」
「何言ってる! そんなことして、もし俺たちの親の耳に入ったりしたらどうするんだ」
ケネスは後ろに手を突いて天井を見上げた。「両親にはもうばれてるんとちゃうかなあ……」
「な、何を根拠に」ケンジはうろたえた。
「ケンジすぐ顔や態度に出るやんか。家の中でもいちゃついとるんやろ? 食事の時とか」
「もうどきどきなんだよ」マユミが言った。「ご飯食べてる時に、ケン兄ったら椅子を近づけてきて、こっそりあたしの背中を撫でたりするんだよ」
「時間の問題やな」ケネスは笑った。
「さて、そろそろ寝るとするかな」ケンジは立ち上がった。
「そうやな。ほたらわいはここで一人で寝るよってに、ケンジとマーユは出てって」
「またそんな……」ケンジが呆れて言った。
「そのつもりやったんやろ?」
「ま、まあな」
ケンジとケネスは笑った。
マユミは恥じらったようにケンジの左腕に寄り添った。そして二人は立ち上がり、肩を寄せ合ってドアを出て行った。
ケネスは一人、ケンジの部屋に残った。彼は腰を伸
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