第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#9
闇夜の血闘 紅の魔術師VS幽血の統世王 〜Darker Than Darkness〜
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がら
DIOの暴風のような撃ち込みをなんとか躱す。
だが、同時に舞い上がる黒衣の裾にまで気を配らなければならないので
避けづらい事この上ない。
「クハハハハハハハハハハハハハハハハ!! どうした! どうしたぁぁ!!
自慢の炎は出さんのかッ! 逃げてばかりでは永遠にこの私には勝てんぞ!!
もっと私を愉しませろッ!
UUUUUUUUREEEEEEYYYYYYYYYY――――――――ッッッッ!!!!」
更に、DIOの心理状態が微塵も読めないので、次の攻撃が全く予測出来なかった。
貴公子然としていたかと思うと、いきなり何の脈絡もなく狂戦士のような風貌に変わる。
こんな異常な心理を持つタイプには、今まで遭遇した事はない。
「こ、この! 誰が逃げてなんか!」
負けず嫌いの性格故に思わず声が口をついて出るが、
でも確かにDIOの言うとおりだった。
しかし攻撃は出来ない。
どんなに鋭い斬撃を放ったとしても、この男は躊躇せずにまたソレを掴んで
そこから冷気を送り込んでくるだろう。
『浄化の炎』 があるにはあるが、同じ手が二度通用するとは想えない。
それに次は、恐らく胸元のアラストールの方が先に凍らされる。
しかし、今のままだと防戦一方なので永遠に勝機は訪れない。
時間を置けば置くほど回避によって神経がどんどん摩耗していき、
最終的には僅かに生まれた隙から全連撃を一気に捻じ込まれる。
(それ……なら……)
決意の光が灼眼に煌めく。
“遅かれ早かれ擦り切れるならッ!”
「はあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
己が血を流すことを覚悟した、鋭い猛りがシャナの裡から湧き上がる。
「ッッ!!」
過負荷により神経の電気伝達がショートし、目の奥で火花が弾けた。
だが、その甲斐はあった。
次の瞬間。
贄殿遮那の刀身全体が、渦巻く紅蓮の炎で覆われていた。
火炎が刀身を焼き焦がし、発する熱気が周囲の冷気を全て弾き飛ばす。
すぐさまに横薙ぎの一閃がDIOに向かって放たれた。
ガギュンッッ!!
まるで鋼鉄の門扉に灼熱の破城鎚でも撃ち込んだかのような、
異質で異様な斬吼と共に重い手応えが柄を握るシャナの手に跳ね返ってくる。
「美しい……コレが……君の生み出す “炎” か。マジシャンズ」
胴体に向けて放たれた炎刃の一撃を、先刻同様凍った掌で受け止めた
DIOは、炎に照らされた微笑で応える。
その手の中で、冷気と熱気が音を立てながら互いに弾けていた。
炎と氷の燻った靄が、DIOの内なる火勢を更に煽る。
(いけるッ!)
かなり無理をしたが、シャナのやった事は功を奏した。
受け
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