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SAO−銀ノ月−
第百十三話
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出来てるんだから」

 閑話休題。そのPK集団の騒ぎでうやむやになっていたが、そもそもはスリーピング・ナイツとアスナにおけるフロアボスの攻略だ。笑顔のアスナを見る限りは、コンビネーションや連携プレーは確かなものになったようだが……問題は、そもそもフロアボスに挑戦出来ない場合だ。

 シャムロックが大々的に浮遊城の攻略を宣言したため、それぞれの領も今は浮遊城の攻略にかかりきりとなっており、正直中小ギルドでは太刀打ちも出来ない攻略スピードだった。それを学生含む7人で割って入ろうというのだから、個人の戦力がどうとかいう問題ではなく、組織力の問題だった。

「それは頼もしいじゃない、《閃光様》」

「……もう! やめてったら!」

 それを何とかすることは出来るらしく、リズがかつての名前をもじって茶化しておくと、長らく忘れていた名前にアスナは頬を少し赤く染める。挑戦すること自体難しいと言えども、シャムロックや各領も迷宮区で通せんぼしている訳ではなく、挑戦する機会は万人に与えられているのだから。そこはアスナに任せるとして、リズはふと、あることを思いだした。

「そういえば、今度出るらしいじゃない。SAOの」

「ああ……SAOの回顧録とかって」

 SAO生還者の1人が、何やらSAOでの暮らしを本にしてまとめたそうで。それが今度発売するということで、生還者学校でも少し話題になってはいた。あいにくとリズは、その著者のプレイヤーについては知らなかったが……

「アスナは知ってる? その作者の某さん」

「直接は会ったことないけど、SAOの中で本を書いてたプレイヤーだって、名前は聞いたことあるよ」

 それはリズもシリカから聞いていた。……ついでに、作品が完結する前にSAOがクリアされたので、未完の大作になったとかいう話も。同じ生産系のプレイヤー――と言っていいのかは知らないが――として、リズは一つ、その作品とやらに疑問はあったものの。

「でもアスナが会ったことないってことは、多分攻略組ではないわよね。フロアボス攻略戦とかも書くのかしら」

「うーん……」

 二人揃って首を傾げる。まさか作者の日常だけを描いた訳でもないだろうが、SAO生還者の作品だと謳っている以上、完全にフィクションという訳にはいくまい。

「発売してからの楽しみってこと……なのかな」

「なんか地雷踏みそうねぇ……あ、そういえばなんだけど……学校のこと、どうなったの?」

 SAO生還者の回顧録は一旦置いておいて、リズは少し聞き辛そうにアスナのことを聞く。リズの問いは少し質問としては大ざっぱだったが、アスナには伝わったらしく表情をこわばらせた。

「……どうもこうも、変わらないわ」

「そう……」

 アスナの転校やAL
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