第25話「しまい」
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情報を話していく。
...私も聞いた時、遼が本当に無事なのか焦ったわね...。
「...大丈夫なのか?」
「温度覚と、少しの痛覚、それと体温が低くなるけど他は異常がないわ。...むしろ、身体能力が上がったらしいわ。でも、少なくともゾンビ化する前兆もなにもないらしいわ。」
「.....そうか。」
粗方情報を聞いて、考え込む彼。
「とりあえずそのマニュアルとワクチンの半分を渡しておくわ。銃器の類はまた個別に聞きに来て頂戴。ちゃんと扱いを覚えておかないと死ぬだけだから。」
「...分かった。助かる、香織さん。」
「困った時はお互い様なんだから、当然でしょ?」
戦える人を贔屓したり、サークルの子達と仲があまり良くなかったりするけど、それでも彼らを見捨てる理由にはならない。
だから、私は彼らの手助けもしている。
「...あ、それと。」
「...まだ何かあるのか?」
「ええ。...もうすぐ、ここを拠点に行動する必要がなくなるわ。」
私の言葉に彼だけでなく、この場にいる全員が訝しむ。
「...どういうことだ?」
「根拠も何もないけどね。....強いて言うなら、妻としての勘...かしら?」
「......?」
そう言って、私は部屋を立ち去る。
「(....もうすぐ、きっともうすぐ来るわよね?隼...。)」
きっとこのパンデミックを収めるために奔走してるであろう夫に私は想いを馳せた。
=遼side=
「......。」
「うふふ♪」
「りーねー♪」
...なんだろうか、微笑ましすぎる...!
「見違えるほど元気になったな...。」
「りーさんもるーちゃんも嬉しそう!」
胡桃と由紀も二人の様子を見てそう言う。
「.........。」
「...なんで香織さんは落ち込んでるの?」
なんか(´・ω・`)みたいな顔になってる母さんが気になったのか、蘭が聞いてくる。
「...あー、母さんは小学校の教師やってる通り、子供好きなんだ。それで、今まで懐かれてたのが取られて落ち込んでるんだろう。」
まぁ、相手は実の姉だ。仕方ないと言えば仕方ない。
「うぅ...瑠璃ちゃん....。」
「...こんな香織せんせー初めて見たよ...。」
「家族内でも結構珍しいぞ。母さん、子供ウケいいからな。あんな状態にはなかなかならない。」
とはいえ、いつまでも放置しておくわけにはいかないな。
「ていっ!」
「あうっ!?」
母さんに適当にチョップを入れる。
「ちょっ、母
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