第一章
[2/2]
[9]前 最初 [2]次話
にだ。満面の笑顔で言った。
「全てはそなた達のお陰だ」
「いえ、王が立派だからです」
「それ故に統一できたのです」
「我等の力ではありません」
アメリカ人達はそのにこやかな笑顔で王にこう応えた。
「我等はただ己の良心に従っただけです」
「ハワイを統一され平和をもたらされようという王のお心に打たれ」
「そのうえで王に協力させてもらっただけです」
「それだけです」
こう言うのだった。だが、だった。
王は彼等への感謝の気持ちを忘れなかった。むしろ彼等の謙虚な姿勢により一層の感銘を受けてだ。こう彼等に対して言ったのである。
「これからハワイ王国はアメリカの友人となりたい」
「何と、我が国のですか」
「我が国の友人となって頂けるのですか」
「そうして頂けるのですか」
「アメリカがあるからこそハワイは一つになれたのだ」
まさにだ。それ故にだというのだ。
「だからこそ。ハワイはアメリカに感謝してだ」
「友人にですか」
「なって頂けますか」
「そうなりたいのだがいいだろうか」
今度は王が謙遜を見せた。ただし彼は本心からそうした。
[9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ