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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第75話
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としてもやりやすいけど……猟兵(おれたち)に依頼をするには当然”報酬”も必要なのはわかっているよな?」

「先に言っておくが数万、数十万ミラと言った”はした金”では俺達”西風の旅団”は依頼を請けないぞ。」

ディーター総裁の説明に苦笑しているロイドに指摘したゼノは不敵な笑みを浮かべてディーター総裁に問いかけ、レオニダスはゼノの問いかけを補足した。



「ハッハッハッ!IBC総裁を甘くみないでくれたまえ。――――1億ミラでどうだい?」

「い、1億ミラ!?」

「1億ミラなんて、”国”が依頼するレベルの金額だぜ………」

「………まあ、どこかの誰かさんはその3倍の金額を”たった”と言い切った事もあるけどね。」

豪快に笑った後莫大な金額の報酬を口にしたディーター総裁の答えを聞いたロイドは驚き、ランディは疲れた表情で呟き、ルフィナはジト目でレンを見つめ

「うふふ、その”どこかの誰かさん”って一体誰の事かしらね♪」

「フッ………」

「フフ………」

「クスクス……」

ジト目で見つめられて笑顔で答えたレンの様子を見たロイド達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中、その様子をジョーカー達は微笑ましく見守っていた。



「クロスベルの未来と君達のようなクロスベルの”正義”を目指している若者達の命を1億ミラで守れるのなら安いものさ。」

「おじさま……」

「もう、お父様ったら……せめて一言私に言って欲しかったのですが。」

ディーター総裁の答えを聞いたエリィは驚き、マリアベルは溜息を吐いた後真剣な表情でディーター総裁を見つめた。

「クク、さすがIBC総裁。躊躇いもせずに1億ミラも出すなんて、太っ腹やな。」

「敵拠点に突入する特務支援課と遊撃士達の助力で分け前を考えると一人5000万ミラか。悪くはない条件だが………」

一方ゼノとレオニダスは口元に笑みを浮かべて答えた後一瞬レンに視線を向け

「……………」

「――――ええやろ。その依頼、引き受けた。」

「どうやら三度(みたび)共闘する事になったようだな、”特務支援課”。」

視線を向けられたレンが僅かに首を縦に振るとそれぞれ依頼を引き受ける事を了承した。



「はい、よろしくお願いします……!」

「やれやれ……まさかかつての”宿敵”の連中と三回も共闘する事になるとはな。」

(というか二人は”レンさん―――Ms.Lの依頼を今も請けている最中”ですから、レンさんが後で二人にこっそり頼めばディーターさんがわざわざ1億ミラも支払う必要もなかったのでは……?)

(やん♪それは言わないお約束よ♪)

レオニダスの言葉にロイドが明るい表情で頷き、ランディが疲れた表情で溜息を吐い
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